7月28日上映のトム・クルーズ主演作『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』は、古代エジプトの女王がミイラとなって現代に蘇り、人類への復讐を繰り広げるモンスター・ホラー映画です。

本作は1999年公開のヒット作『ハムナプトラ/失われた砂漠の都』と同じく、1932年に上映された『ミイラの再生(原題:The Mummy)』のリブート作品。ミイラ映画といえば、同作に代表されるような“古代のミイラが復活して人間に襲いかかる”というシナリオが王道でしょう。しかし、一方ではそんなストレートなモンスター・アクション作品のほかにも、珍妙な愛すべきミイラ映画がスクリーンをにぎわせてきました。

ロックンロール魂を燃やすプレスリーがミイラと対決!?

ミイラ映画における珍作の代表例といえるのが、『プレスリーVSミイラ男』(2002年)です。いわずと知れたロックンロール・キングこと、エルヴィス・プレスリー。不整脈によって42歳で突然死を迎えたとされている彼が実は生きていて、老人ホームで蘇ったエジプトのキング=4000年前のミイラと激突します。

もはやどこから突っ込みを入れていいのかわからない、痛快不条理ホラー・コメディの傑作。『死霊のはらわた』シリーズで有名なホラー映画俳優、ブルース・キャンベルによる、キレッキレの老人エルヴィスは必見です。

また、不条理系のミイラ映画としては、2000年に公開された『アタック・ザ・マミー』も外せません。Z級の誉れ(?)高い本作は、とにかく作りの粗さが指摘されますが、もはやそれも特長のひとつといえるでしょう。

ストーリーはエジプトの裂けた砂漠の中で発見された古代遺跡を、地主の大金持ちがミイラのテーマパークに仕立て上げたところ、先端技術によって復活したミイラが人間たちに襲いかかるというもの。強引なお色気、ギャグか真面目か判断不能なスプラッター・シーンなど見どころが満載です。映画ファンの間では、楽しそうな口ぶりで「オススメしない」とレビューされているのも、真のZ級たるゆえんですね。

とんでもミイラ映画の行き着く先は?

とんでもモンスター映画が行き着く先……そう、それは宇宙です。実は、ミイラ映画にも宇宙ものが存在します。1982年制作の『Time Walker』には、“宇宙からのツタンカーメン”という痛快な邦題がつけられました。作中ではツタンカーメンの墓で発見された棺に、研究目的でX線照射を試みたところミイラが復活。盗まれた財宝を取り戻そうと、次々と人を襲っていきます。

ここまではまだオーソドックスな展開なのですが、財宝を取り戻したミイラは突然光を発しはじめ、宇宙人へとトランスフォームします。それもご丁寧に、見た目は完全にステレオタイプのグレイ宇宙人。これは鑑賞時間すべてを返してほしくなる衝撃です。最後はネタを回収しきれずに、「To Be Continued……」と表示されてずっこけるまでが、この映画を観る上での一連の作法といえるでしょう。

ほかにも数多くのミイラ映画は存在しますが、とんでも作品ということでは、やはりこの3本は出色の出来栄えです。ただ、もうひとつだけ加えるならば、個人的に愛してやまないミイラが登場する『死霊の盆踊り』(1965年)でしょうか。

夜の帝王なる人物に仕えるモンスターとして、主人公のボブとシャーリーをつかまえ、連行するミイラ男。中腰で手を前にだしてフラフラと動く様子はどこか情けなく、愛らしい風情をまとっています。そのストーリーは死霊という名のセクシーなお姉さんたちが舞い踊るというだけの内容。史上最低の映画監督として名を馳せるエド・ウッドが脚本を務めた悪名高い怪作なので、その筋の映画が好きな人はぜひ観てみては?

(文/江古田透@H14)