マーベルから誕生したヒーローの中でも、トップクラスの人気を誇る“スパイダーマン”。これまで様々な監督によって実写化され、アメコミを代表する作品として世界中に多くのファンを魅了してきました。

今回は最新作『スパイダーマン:ホームカミング』(2017年)の公開に伴い、歴代作品のおさらいと見どころをご紹介。また最新作で主演を果たしたトム・ホランドの魅力にも迫ります。

サム・ライミ監督によって世に放たれた驚異の実写映画『スパイダーマン』3部作

コミック『スパイダーマン』は、ダイナミックな動きや複雑な描写、戦闘シーンの迫力をスクリーンで詳細に再現することが困難だと言われ続けていました。

しかし、近年の目覚ましい技術の進化において、モーションキャプチャーを駆使するなどCGでの視覚効果の精度をあげることが可能になりました。これにより、『死霊のはらわた』(1981年)で知られるサム・ライミ監督の手によって見事実写化に成功。『スパイダーマン』(2002年)公開後は、『スパイダーマン2』(2004年)、『スパイダーマン3』(2007年)が制作され3部作となりました。

主人公ピーター・パーカーにはトビー・マグワイア、相手役のMJにはキルスティン・ダンストが抜擢され注目を集めました。トビーが扮したピーターは、奥手なオタク気質が親近感を呼び、多くのファンに愛されるキャラクターとなりました。公開から15年経過した今も、強い存在感を残しています。

サム・ライミが描いた「スパイダーマン」の葛藤と成長

サム・ライミ監督による『スパイダーマン』では、スパイダーマンが誕生する一つ目のきっかけに蜘蛛に噛まれるハプニングがあります。その些細な出来事が彼の体に驚異的な変化をもたらし、人間から変貌した恐ろしい怪物たちに立ち向かうことになるのです。

1作目では親友ハリーの父親が薬の副作用によって変貌を遂げたグリーン・ゴブリンと死闘を繰り広げ、2作目では、街を襲撃したドクター・オクトパスと命がけの戦いに挑みました。さらに3作目では、ピーターをシリーズ最大の危機となる、怪人サンドマンとの因縁の対決や、ブラック・スパイダーマンの登場がストーリーを盛り上げます。

サム・ライミ版3部作、ファン一押しのシーンはここ!

シリーズ3部作を通じてファンから人気を集めたのは、どれもコミックのイメージを崩すことなく実写化に成功しているシーンです。

1作目で初めて目にした、縦横無尽に動き回るスパイダーマンの姿はコミックでのスケールをそのままに再現されており、誰もがそれに興奮をおぼえました。また2作目での列車での戦闘シーンは、前作を上回る派手なアクションとスピード感で観るものを圧倒し、さらなるスケールアップにも成功しています。3作目では感情的な動きの描写も詳細に描かれ、ブラック・スパイダーマンの誕生が作品に深みを持たせました。悪に心を支配されたピーターの変貌もファンにとって新しい魅力の発見となったようです。

リブートされて生まれ変わった『アメイジング・スパイダーマン』

サム・ライミ監督による3部作をリブートして生まれたのが『アメイジング・スパイダーマン』シリーズです。監督にはマーク・ウェブ、主演はアンドリュー・ガーフィールド、ヒロインのグウェン・ステイシーにエマ・ストーンが配役され、スパイダーマンの新しい世界観に大きな注目が集まりました。サム・ライミ監督の手がけた3部作とマーク・ウェブ監督の2部作は、ともにコミックでのスパイダーマンを基盤にしていますが、それぞれが独立した異なる作品であり続編ではないので、観賞時にも注意したいところです。

特殊能力を手に入れる筋書きは従来通り。『スパイダーマン』(2002年)と異なる点は、叔父ベンを殺され「犯人探し」のためにスパイダーマンとなって活動を始めるということです。

1作目では初めて戦う敵、怪物リザードに四苦八苦しながらも優れた戦闘能力を活かします。2作目では恋人との別れ、親友との仲たがいなど試練に耐えながら、電気人間エレクトロとのこれまでにないほどの激しい戦いを余技なくされました。

『アメイジング・スパイダーマン』ならではの感動シーンを見逃すな!

『アメイジング・スパイダーマン』(2012年)で多くの方が胸を熱くしたであろうワンシーンといえば、初めてスパイダーマンとして登場した場面ではないでしょうか。恐怖に震える少年を救出する際に、コスチュームのマスクを手渡し「マスクを被れば怖くない」と言って勇気づける彼は真のヒーローの姿を見せました。

また2作目で語られた卒業式でのグウェンのスピーチが、ヒーローとして生きることに迷い苦しむピーターへのエールともとれ、これまでピーターの苦労や苦悩を見守り続けたファンの心に深く響くものとなっています。

最新作『スパイダーマン:ホームカミング』はさらにスケールアップ!

これまでよりスケールアップした最新作では、主演に抜擢されたトム・ホランドをはじめ、監督を務めた新鋭ジャン・ワッツの手腕が注目を集めています。さらに、悪役バルチャーにはマイケル・キートン、スパイダーマンを真のヒーローへと導くアイアンマンはお馴染みのロバート・ダウニー・Jr.が扮し作品を盛り上げました。

トムは歴代最年少のスパイダーマン。あどけなさの残る高校生のピーターが新人ヒーローとして悪を倒すために奮闘しますが、アイアンマンであるトニーにたしなめられるなど、これまでの『スパイダーマン』には見られなった新たな関係が生まれる目新しいストーリーとなりました。

すでに昨年公開されている『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016年)でスパイダーマンの参戦は周知されていますが、その流れを汲んだ今作はスパイダーマンが”主人公”として本格的にMCUに参加した記念すべき一作となっています。また、劇中にスパイダーマン以外のヒーローが登場するという、既出の作品では見られなかった展開に驚きの声も多くあがり、世界中のファンの期待が高まる仕上がりになりました。

熱心な役作りで唯一無二のスパイダーマンの誕生!

トムは、これまでにはない新しいスパイダーマンとなるために全5作品を何度もチェックし研究を重ねたと話しています。仕草や話し方を入念に作り上げ、さらにピーター・パーカーになりきるために偽名を使って高校に潜入したこともありました。

また学生時代にヒップホップダンスクラスに在籍し、ダンスはプロ顔負けのテクニックとのこと。それは舞台「ビリー・エリオット」で3年間主演を演じたことで証明されています。この経験は本作でも惜しみなく発揮され、撮影中に肉体的能力を使わなかった日は1日もなかったと語るほどでした。

歴代作品との比較する楽しみもあり、またそれぞれの作品を独立したものとして楽しむこともできる『スパイダーマン』シリーズ。最新作はこの夏にぜひ押さえておきたい1本です。

(スギウチマサコ@YOSCA)