ここ数年多くの企業での過重労働による自殺などが大きく取り上げられています。
また、働き方改革など影響も受け、従業員の働き方をよくしていこうと目を向ける企業が増えてきました。 仕事上のストレスは大小さまざまであり、ストレスによっては良い緊張感、プラスの効果を生むこともあります。
しかし、そんなプラスに働くことができるストレスでも個人によっては深く悩んでしまい、時には休職や離職、最悪の場合には自殺につながるケースもあるでしょう。

近年のメンタルヘルスの状況

厚生労働省の平成30年調べでは以下のことがわかっています。

・ メンタルヘルスケアに取り組んでいる事業所の割合は59.2% 

・ ストレスチェックを実施した事業所の割合は62.9% 

・ ストレスチェック実施した企業のうち、結果の集団ごとの分析を実施した事業所の割合は 73.3%。このうち分析結果を活用した事業所の割合は 80.3%で平成29年調査より7.7%増加 

・ 現在の仕事や職業生活に関することで強い不安、悩み、ストレスになっていると感じる事柄がある労働者の割合は58.0%で平成29年調査より0.3%減少

企業の取り組みデータとしての差はあまり見られないものの、実際にストレスチェックを行っている企業で集団分析を活用する企業は増加傾向にあります。健康経営に取り組もうとしている変化の兆しでしょう。
また、自殺者の推移についても年々、減少傾向にありますが、仕事疲れや人間関係の問題など職場環境や自身のメンタルヘルスケアに取り組んでいれば防ぐことのできた事例もあるかもしれません。

セルフケア

「セルフケア」は、厚生労働省「労働者の心の健康保持増進のための指針」(2006年)で示す4つのメンタルヘルスケアの1つに挙げられています。 事業者は労働者に対してセルフケアが行えるように教育研修や情報提供を行うなどの支援をすることが重要とされています。 下記の3つは心の健康づくり計画の策定で重要です。

・ 労働者に対して、ストレスやメンタルヘルスに対する正しい理解 

・ ストレスチェックなどを活用したストレスへの気づき 

・ ストレスへの対処

この3つの項目について心の健康づくり計画の策定をし、それに基づき教育研修や情報提供を行います。 注意しなければならないのは管理監督者もセルフケアの対象に含めることです。

ストレスへの対処法

ストレスのイメージはネガティブなことが多いですが、前述のとおり、ストレスそのものが悪いわけではありません。 ストレスとは簡単に言えば緊張です。 同じような状況に対しても緊張を負担に思うか、挑戦のチャンスととらえるか、捉え方は人により異なります。 ストレスに対処する行動をストレスコーピングといいます。 ストレスに悩まない人たちはこのストレスコーピングがうまくいっているといえます。 下記のような方法でストレスに対処することができます。

・ ストレスの原因に対して自分の努力や周囲の協力を得て解決しようとする 

・ 怒りや悲しみ、不安などの感情を出す場合やその反対に自身の心の中に抑圧する 

・ 見方や発想を変えたり距離を置いたりする(ポジティブシンキング) 

・ 周囲にアドバイスを求めたり人に話したりすることで発散する 

・ 気晴らしに趣味や運動をすることでストレスを解消する

対処方法は人それぞれですし、ストレスの原因次第でコーピングのしかたは変わってくるものでしょう。 なにより大切なのは健康的な生活習慣を継続することです。
メンタル不調の原因として、生活習慣も影響するといわれており米国・カリフォルニア大学のブレスロー教授は、生活習慣と身体的健康度(疾病や症状など)との関係を調査した結果に基づいて、以下の「7つの健康習慣」を提唱しています。
健康的なライフスタイルはセルフケアの基本となりますますので自身の生活習慣と比較してみてください。

<ブレスローの7つの健康習慣>

① 7〜8時間の睡眠を取る
② 朝食を必ず食べる
③ 間食はあまり食べない
④ 標準体重を保つ
⑤ 適度に運動を行う
⑥ タバコは吸わない
⑦ 適正飲酒を心掛ける

企業の取り組み

近年のメンタルヘルスの状況についてでも記述しましたが、メンタルヘルスケアに取り組んでいる企業は増加しています。
メンタルヘルスケアに力を入れることで生産性の向上につながることはもちろん、社員が辞めない職場づくりにもつながります。
時代が変われば人の生き方も変わっており、家での゙しつげの訪問、学校での学び方、会社(社会人)に対するイメージや考え方も異なります。 ひとつのパターンのみで企業として対応するのではなく、さまざまな人を受け入れる体制を求められています。 メンタルヘルスケアに力を入れ、健康で働ける社員を増やしましょう。

 <参考>
・ 厚生労働省「こころの耳 統計情報・調査結果」(https://kokoro.mhlw.go.jp/statistics/)
・ 厚生労働省「こころの耳e-ラーニングで学ぶ「15分でわかるセルフケア」(http://kokoro.mhlw.go.jp/e-learning/selfcare/)
・ 厚生労働省「職場における心の健康づくり」(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11300000-Roudoukijunkyokuanzeneiseibu/0000153859.pdf)
・ 厚生労働省「ブレスローの7つの健康習慣を実践してみませんか?」(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-04-002.html)
・ 公益社団法人日本看護協会「個人での対応(セルフケア) 」(https://www.nurse.or.jp/nursing/shuroanzen/safety/mental/kojin/index.html)