最近は街で見かける人のほとんどがマスクを着用しています。
そんな中、大丈夫だろうとマスクをはずしている従業員も増えてきているかもしれません。
そんな従業員に会社側がマスク着用を義務づけることはできるのでしょうか?
今回は従業員へのマスクの着用義務について解説します。

マスク着用の義務化は可能


結論から言うと、会社で従業員に対してマスクの着用を義務づけることは可能です。
企業には安全配慮義務、つまり労働者が安全に労働できるように配慮する義務があり、今回のような感染症が流行している場合は適切な予防対策をとる必要があります。
さらに一般社団法人日本経済団体連合会が策定した「オフィスにおける新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」でも、従業員に対し、勤務中のマスクの着用を促すことが推薦されています。
つまり、企業側が従業員の安全に配慮してマスクの着用を義務づけることは、安全配慮義務の観点からみると適切な対応といえます。

着用を応じない人に対して


しかし、マスク着用を義務づけても着用しない従業員もいるかもしれません。
このような場合、どのように対応したらいいのでしょうか?
一般的には、労働者は企業側の業務命令に従う義務があり、拒否した場合は業務命令違反となります。
しかし、労働者にマスク着用を行うことができない合理的な理由がある場合は今回のような業務命令の発令はできません。
たとえば、皮膚疾患によりマスクの着用が難しいなどの理由であれば、合理的な理由としてマスク着用義務の対象者から除外し別の対応をとりましょう。
しかし、息苦しいから・マスクが苦手だからという理由では合理的な理由として認めるのは難しいです。
もしそうした理由で着用拒否の申出があれば、マスク着用の必要性をしっかりと説明しましょう。
どうしても従わない場合、業務命令違反として懲戒処分の対象とすることもできますが、「自宅待機にする」「屋外で他の人と2メートル以上の距離が保たれる場合はマスクを外すことを許可する」など可能な限り柔軟に対応していきたいですね。

これからは熱中症にも注意


一方で、これからの季節は熱中症にも注意しなくてはなりません。
厚生労働省では、気温・湿度の高い場合や屋外で人と2メートル以上の距離が確保できる場合はマスクを外すことを呼びかけています。
佐川急便やヤマト運輸では、運転中や人が近くにいない場合など、常用に応じてマスクを外すことを認めています。
また、カスタマーハラスメント対策やお客さまの理解を得るためにも、こうした方針をホームページや注意書きとして目のつくところに設置することも必要でしょう。
従業員をしっかりと守り、このコロナ禍をのりきりましょう!

<参考>
厚生労働省「「新しい生活様式」における熱中症予防行動」
株式会社産労総合研究所「新型コロナウイルス感染症にかかわる労務管理」
一般社団法人日本経済団体連合会「オフィスにおける新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」