先日、製造業の企業にて産業医の職場巡視にご同行する機会がありました。
その中ですごくためになるご指摘がありましたので、皆様にも共有させていただきたいと思います。
ぜひ、参考にしてください!

<企業の状況>
・社員数は約60名程度の製造工場
・過去に大きい労災事故はない(転倒して骨折が過去に1件程度)
・工場内は、整理整頓されていて一見すると指摘事項はないようにみえる

フォークリフトにヘルメット着用は義務なのか?

産業医が気になったポイントは、フォークリフト使用時の「ヘルメット着用」についてでした。
広い構内で数台のフォークリフトがありましたが、それを観察したところ「ヘルメット」の常設がないことに気づいたのです。
職場巡視後に、安全衛生委員会が開かれ、ヘルメット着用について委員に確認したところ、ヘルメット着用は実施していないと教えていただきました。

<ヘルメットを着用していない理由>
・ 以前、フォークリフトの取扱いについて議論したことがある
・ 労働安全衛生法に従い、ヘルメットの着用義務はなく、安全帽(帽子)を着用している
これに関して、産業医からは次のような指摘がありました。

「フォークリフト運転中はヘルメットの着用は義務だったように記憶している。労働安全衛生法に記載があるので確認するように」

詳しく調べていたところ、以下の通達にたどり着きました。

<労働安全衛生法>
厚生労働省 行政指導通達
S.50.4.10 基発第218号「荷役・運搬機械の安全対策について」(http://www.cranenet.or.jp/hourei/s500410-218.html)
3.安全作業の確保
(9) 保護具の着用
関係労働者に、保護帽、安全靴等の保護具を着用させること

安全帽とは?

こちらの企業でも本通達については確認しており、そのうえで作業員には安全帽の着用を義務づけることになっていました。
そこで問題となるのは、「安全帽」の定義となります。

下記サイトに、安全帽の規格について、詳しく記載がありました。
・ミドリ安全株式会社「安全帽の規格」(https://www.midori-helmet.jp/dictionary/6-1/)

内容を確認すると、安全帽=帽子(作業帽)ではなく、安全帽=ヘルメットということが一目瞭然となりました。
この産業医の指摘から、これまで知らず知らずのうちに労働安全衛生法を正しく履行できていなかったことが判明し、即時ヘルメット着用を工場内でも義務化することとなりました。

他にもある!?知らない間に法令違反!?

今回発覚した法令違反については、幸いなことに重大事故が起こる前に発見・対策できましたが「知らない間に法令違反をしてしまっていることがないか」は常に注意すべきことです。
たとえば、派遣社員・出向社員の対応、有機溶剤・特定化学物質の取扱いや特殊健康診断、高所作業や潜水士などの特殊な作業現場における法令など、当たり前と思っていたことが、実は法令違反だったというのは、意外と良くあることです。
法改正など最新情報をチェックするのはもちろんのこと、現在行っていることが法令通りになっているか再度確認をしましょう!