年が明けて2022年になりましたね。
皆さんにとって2021年はどんな年だったでしょうか?
筆者は、2020年に引き続きコロナに振り回された1年だったと感じています。
変異株の出現などで新型コロナウイルス感染症の波が大きくきたり、収まったり……。
情勢に合わせて生活や働き方が大きく変わった人もいらっしゃるでしょう。
また、テレワーク・リモートワークなどは大きく普及し、今も続けている方が少なくないと推察します。
そんな中、公益財団法人日本生産性本部が「日本の労働生産性の動向2021」と「労働生産性の国際比較2021」を公表しました。
今回は、ウィズコロナの環境下で日本の労働生産性がどう変化したのかを、これら調査結果をもとにわかりやすく解説します。

そもそも労働生産性とは

労働生産性とは「労働者1人当たりで生み出す成果、あるいは労働者が1時間で生み出す成果を指標化したもの」で、労働者の能力向上や効率改善に向けた努力、経営効率の改善などによって向上します。
労働生産性の向上は、経済成長や経済的な豊かさをもたらす要因ともいわれており、また、少子高齢化の影響で労働人口の減少が確実な日本にとっては欠かせません。

日本の労働生産性

時間当たりの労働生産性

まず、日本の時間当たりの労働生産性(就業1時間当たりの付加価値額)についてみていきます。
2020年度の日本の時間当たりの労働生産性は4,986円でした。
前年の2019年度が4,979円だったので、本当に若干上回った結果です。
コロナ禍の影響で実質経済成長率は大幅マイナスになっているのですが、東京都が午後8時までの早い時間帯での帰宅を呼びかけたり、飲食店の時短営業など、各企業が労働時間の短縮を進めたことで、時間当たりの労働生産性は下がることがなく上回ったようです。
しかし、実質経済成長率や就業者要因などからみる「実質労働生産性上昇率」でみると、前年比−0.4%となり、2019年度より1.0ポイント落ち込みました。
時間当たりの労働生産性が下がっていなかったからといって喜べる状況ではなさそうです。

1人当たりの労働生産性

次に、日本の労働生産性(就業者1人当たりの付加価値額)をみていきます。
2020年度の日本の1人当たりの労働生産性は805万円でした。
2017年度の846万円をピークに3年連続で前年を下回っている状況です。
また、労働生産性上昇率という観点から見ると、前年度比−3.4%となっています。
−3%を下回ったのは、2008年のリーマン・ショックで経済が大きく収縮したとき以来で、現行統計で比較可能な1995年度以降最大のマイナスになりました。新型コロナウイルス感染症が生産性にもたらす影響はやはり大きいようです。

国際比較

上記の状況を把握したうえで、海外とくらべるとどうなのか、国際比較のデータを見て見ましょう。
OECDデータに基づく、2020年の日本の時間当たりの労働生産性は49.5ドル(5,086円)でOECD加盟の38か国中23位でした。(前年度は21位)
データ取得可能な1970年以降最低順位となっています。
また、38か国の平均が59.4ドルですので、平均よりも低く、38カ国中7位のアメリカ(80.5ドル)と比較すると6割程度の水準です。
これは1988年とほぼ同じです。
加えて1人当たりの労働生産性をみると78,655ドル(809万円)で38か国中28位。(前年度は26位)
こちらも1970年以降最低順位となっています。
時間当たりでみても、1人当たりでみても、主要先進7か国と比較して最も低い水準であり、日本全体としてなかなか労働生産性の向上ができていないという結果です。
「日本人は働きすぎ」とはよく聞きますが、働く時間が長いばかりで結果(生産性)が伴っていないのは非常にもったいないと感じます。
昔からこうだった、いままでこうしてきた、という慣習や方法にとらわれ過ぎていませんか?
コロナ禍で在宅勤務が普及し始めたとき、「ハンコのために出社」なんてニュースもありましたね。
長引くコロナ禍で、生産性向上の必要性はどんどん増しています。
時代は日々変化し、AIや便利な機械も増え、効率化するためのツールはたくさんあります。
コロナが落ち着いたとしても、生産性の向上は企業にとってメリットしかないので、今一度、効率化できるところはないか見直すことをおススメします!

なお、自社の生産性と課題をまず知りたい場合は、日本生産性本部が公開している「企業レベル生産性データベース」を使ってみるのもひとつです。
産業保健新聞でも紹介していますので、あわせてご覧ください。

<参考>
・ 公益財団法人日本生産性本部「日本の労働生産性の動向2021」
・ 公益財団法人日本生産性本部「労働生産性の国際比較2021」