中華人民共和国湖北省武漢市を中心に、2019年12月以降拡大が止まらない新型コロナウイルス。
2020年1月28日には、政府が新型コロナウイルスによる肺炎を「指定感染症」として閣議決定しました。
過去にはMERS(中東呼吸症候群)やSARS(重症急性呼吸症候群)が指定感染症に指定されています。
指定感染症に罹患すると、指定医療機関への強制入院や就業制限、感染症患者がいた場所の消毒など各種措置が求められます。
1月29日午前時点での新型コロナウイルスの感染者数は中国本土で5,974人、死者は132人。
感染者と死者の多くが武漢市内で確認されています。
日本では1月28日、国内で7人目の感染者を確認したと厚生労働省より発表がありました。
7人のうち6人が武漢在住の旅行者です。
同日には武漢市からのツアー客と接触のあった日本人バス運転手の感染が報告されています。
中国本土以外では日本のほか、タイやアメリカ、オーストラリア、台湾、カンボジアなどで感染者が確認されており、世界保健機関(WHO)は新型コロナウイルスが世界に及ぼすリスクを「高い」と評価しています。
今回の感染拡大には、日ごろの中国からの旅行客の増加に含め、中国の旧正月である春節の連休により、中国人旅行客が各国に移動することが要因として考えられます。

そもそも新型コロナウイルスとは、感染するとどのような症状が出る?

コロナウイルスとは、発熱や上気道症状を引き起こすウイルスで、人や動物の間で広く感染症を引き起こします。
今回は「新型」とあることから、特定の治療法が現在はなく、対症療法を実施することになります。
中国政府は1月27日、「新型コロナウイルスは潜伏期間中も感染する」と発表しました。
通常は発症後、体内からウイルスが排出され、その菌を別の人が体内に取り入れた際に感染が成立するものの、新型コロナウイルスは潜伏期間にも発症してしまう、つまり「気づかないうちに感染を広げる危険性がある」ということです。
中国国家衛生健康委員会は潜伏期間は最短1日、最長14日であるとしています。

新型コロナウイルスに感染するとどのような症状が出る?

世界保健機関(WHO)は新型コロナウイルスに感染、発症するとみられる症状として以下を挙げています。

□ 37.5度以上の発熱
□ せき
□ 息苦しさ
□ 呼吸困難感
□ 下痢・胃腸疾患

「風邪かな?」「インフルエンザかな?」と軽視してしまいがちな症状ですが、新型コロナウイルスに罹患している可能性があります。
症状がある場合にはマスクを着用するなどし、あらかじめ医療機関に連絡し、速やかに受診してください。
渡航歴がある場合には、そのことも医療機関に伝えるようにしましょう。

新型コロナウイルスの予防方法〜個人編〜

新型コロナウイルスの感染方法は現時点で明らかになっていませんが、次の2つの感染経路が考えられています。

◎ 飛沫感染:感染者のせきやくしゃみなどの飛沫と一緒にウイルスが放出し、別の人がそのウイルスを口や鼻から吸い込む
◎ 接触感染:感染者がくしゃみや咳の際にウイルスを手で触り、さらに周囲のものを触り、それを別の人が触ったうえで口や鼻を触る

以下では、新型コロナウイルスを個人で予防する方法を説明します。

何よりもまずは手洗い

ドアノブや電車のつり革など、不特定多数の人が使うものには、さまざまなウイルスが存在しています。
とはいえ、何も触れずに生活するのは難しいでしょう。
手についたウイルスを体内に取り込むのを防ぐために、外出先からの帰宅時や食事前後など、石鹸などを使った手洗いの徹底が必要です。
また、アルコールを含む消毒液での手指消毒も効果的ですので、会社の玄関口や、社内に設置すると良いでしょう。
外出から戻ったら手洗いの習慣を徹底しましょう。

マスクを使う

「感染症予防」といえば、マスク!というように皆さんの頭に、一番に浮かぶと思います。
しかし、マスクには、ウイルスを100%カットする効果はありません。
どちらかというと、咳やくしゃみによって飛沫が飛ぶことを防ぐのに高い効果があり、感染拡大予防のための「咳エチケット」の一つとして使用します。
また、喉が乾燥すると、粘膜の防御機能が低下してしまいます。そのため、マスクは適度な湿度を保つことができるといった効果もあります。

咳エチケットを知っていますか

ほかの人にうつさないために、一人ひとりが咳エチケットを心がけることが重要です。
くしゃみや咳をするときは、口を大きく開けて思い切り!ではなく、次の点に気を付けてください。

・マスクの着用
・ティッシュなどで鼻と口を覆う
・とっさの時は袖や上着の内側で覆う
・周囲の人から離れて、顔をそむける

新型コロナウイルスの予防方法〜企業編〜

急速に感染者数も、感染地域も拡大傾向にある「新型コロナウイルス」。
潜伏期間中も感染するということがわかり、感染に気付かず出歩く人がウイルスを運んでしまう可能性があります。
中国からの観光客が多く集まる都市部や観光地エリアは、人混みを避ける、うがい手洗いの徹底などの感染対策が必要です。
個々人の感染対策が必要不可欠ですが、会社として社員の安全確保やリスク回避のために策をとることも、感染拡大防止となります。
日本では、早くも原則出社禁止とし在宅勤務とする企業や、通勤ラッシュ時の電車を回避するように出社時間をずらしたり、外出時のマスク着用をルールとする企業も出てきています。
また、海外への渡航者や、海外赴任者へは会社からも注意喚起や感染症に関する教育をしましょう。
新型コロナウイルスは、海外各地に感染者が広がっている状況です。
海外出張の制限をすること、不要な外出は避けるように伝えること、そして可能であれば在宅勤務の検討もしましょう。