2020年6月4日、産業保健新聞で公開した「新型コロナウイルス感染症にかかる雇用調整助成金とは?その概要は?」では新型コロナウイルスにかかる雇用助成金に関してご説明しました。

※上記記事では、通常の雇用調整助成金についてと新型コロナウイルスにかかる特例措置について記載していますので、本記事とあわせてご覧ください。
2020年6月12日、厚生労働省はこの新型コロナウイルス感染症にかかる雇用助成金の見直しと、さらなる拡充を行いました。
今回はこの拡充内容について、わかりやすく、要点をまとめてご紹介します。

助成金の上限額引き上げと助成率の拡充


下記の図をご覧ください。

【現行(4/1〜6/30)】
<助成額>
1日8,330円が上限

<助成率>
○ 大企業 2/3
○ 中小企業4/5

※解雇等がない場合
○ 大企業 3/4
○ 中小企業 9/10
【中小企業特例】(4/8〜6/30)
・休業要請を受け休業する等、一定の要件を満たす場合 10/10
・休業手当支払率が60%超の場合は超えている部分は10/10

【見直し後(4/1〜9/30)】
<助成額>
1日15,000円が上限

<助成率>
○ 大企業  2/3(変更なし)
○ 中小企業 4/5(変更なし)

※解雇等がない場合
○ 大企業 3/4(変更なし) ○ 中小企業 10/10

<参考>
厚生労働省「雇用調整助成金の助成額の上限額を引き上げます」

図にある通り、助成額の上限額引き上げ、解雇などを行わない中小企業の助成率の拡充が行われています。
また、拡充期間に関しても、もともと6月30日までだったところが、3か月延長され9月30日までとなっています。
「え?もう申請してしまった!」「今回の見直し後の支援を受けるためにはもう一回申請しなきゃなの…?」と焦っている担当者の皆さま、大丈夫です!
今回の助成金上限額の引上げおよび助成率の拡充は、以下の通り4月1日に遡っての適用となります。

すでに雇用調整助成金の支給が決定している場合:後日、追加支給分(差額)を支給 すでに支給申請はしているが、まだ支給決定がされていない場合:追加支給分(差額)を含めて支給

さらに詳しい情報は、厚生労働省のリーフレットがありますのでご確認ください。
厚生労働省 リーフレット「雇用調整助成金の受給額の上限を引き上げます」

緊急対応期間の延長


上記で少し触れましたが、今までは4月1日から6月30日までを緊急対応期間として、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、特例措置を行ってきました。
主な特例措置は、「生産量要件の緩和」「助成対象の拡充」などです。
今回の厚生労働省の発表には、この緊急対応期間を3か月延長(9月30日)することが明記されており、先にご紹介した2つの拡充とともに、この特例措置の期間も延長されています。

出向の特例措置など


出向は雇用調整助成金の支給対象となります。
申請するには、出向期間が「3か月以上1年以内」とされていますが、この緊急対応期間内においては「1か月以上1年以内」に緩和されています。
また、新型コロナウイルス感染症への対応として、公益社団法人 産業雇用安定センターが「雇用を守る出向支援プログラム2020」を始めました。
これは、一時的に雇用過剰となった企業が従業員の雇用を守るために、逆に人手不足に陥っている企業との間で雇用シェア(在籍型出向)を活用しようとする場合に、双方の企業に対して出向のマッチングを無料で行うものです。
全国47都道府県の県庁所在地に産業雇用安定センターの事務所があり、無料で相談ができます。
業績不振で従業員の解雇も考えなければ……という状況の企業は、ぜひ一度相談してみてはいかがでしょうか。
詳しくは下記をご確認ください。
公益財団法人産業雇用安定センター「雇用を守る出向支援プログラム2020」

新型コロナウイルスの日別の感染者数は、5月中旬には1日10人以下にまでなり、収束の兆しが少し見えましたが、再び増加傾向に転じつつあります。
まだまだ気を緩めず、今回紹介したような制度も利用しながら企業としても、個人としても、新型コロナウイルス感染症に負けないよう対策をとっていきましょう!