労働者を雇うとき、必ず発生する賃金。


使用者は国が定めた最低賃金額以上の賃金を労働者に支払う必要があります。
2020年発表された地域別最低賃金の全国加重平均は902円、2019年との比較ではプラス1円となり、最も大きい引き上げがあった地域でもプラス3円という結果に留まっています。
2019年までは4年連続で3%超(26〜28円)の引き上げが行われてきましたので、やはり新型コロナウイルスの影響が垣間見えます。
今回は、最低賃金の決め方や対象範囲などをわかりやすく解説します。

最低賃金とは?〜その決め方


最低賃金は、賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図り、生活の安定、労働力の質的向上および事業の公正な競争の確保に資するとともに国民経済の健全な発展に寄与することを目的としています。
最低賃金には以下2種類があります。

<地域別最低賃金>
地域別最低賃金は以下3点、および地域の物価や業種の特性などを踏まえたうえで、都道府県ごとに定められています。

・ 労働者の生計費
・ 類似の労働者の賃金
・ 通常の事業の賃金支払能力

<特定(産業別)最低賃金>
特定(産業別)最低賃金は、関係労使の申出に基づき、最低賃金審議会が必要と認めた場合、地域別最低賃金よりも金額水準の高い最低賃金を定めることが必要と認めた産業について定められます。
なお、地域別と 特定(産業別)の両方が当てはまる場合は、より金額が高い方の最低賃金が適用されます。

誰の、どの賃金が対象?


地域別最低賃金は、パートタイマー、アルバイト、臨時、嘱託など雇用形態に関係なく、各都道府県内の事業場で働くすべての労働者とその使用者に適用されます。
仮に、最低賃金より低い賃金で労働契約を結んだ場合でも、その契約は無効であり、使用者は最低賃金を支払う義務が生じます。
また、最低賃金の対象となる賃金は、毎月支払われる基本的な賃金であり、次の賃金は対象となりません。

・ 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
・ 1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
・ 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金など)
・ 所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)
・ 午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など)
・ 精皆勤手当、通勤手当および家族手当

使用者は給与額の確認を


新型コロナウイルスの影響により、いまだ苦しい状況に変わりなく、雇用を維持するだけでも大変なのに賃上げだなんて……と思われる企業も多いと思われます。
しかし、最低賃金の引上げ額は緩やかなものの、今年も全国的には引上げ傾向にありますので、対象地域の使用者は、労働者の給与額を見直す必要があります。
また労働者においても、自分の賃金が適正なのか、チェックする必要があるでしょう。
以下のサイトにて、就業場所や期間、賃金額を入力すれば簡単にチェックすることができますので、ぜひ参考にしてください。

厚生労働省「必ずチェック 最低賃金」

<参考>
・ 厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」
・ 厚生労働省「最低賃金の対象となる賃金」