中国の民泊最大手が、日本市場の“制覇”に乗り出してきた。中国の民泊プラットフォーム最大手「途家(トゥジァ)」は2日、東京都内で記者会見を開き、楽天グループの民泊事業会社「楽天LIFULL STAY」との業務提携を発表した。

 途家は2011年に開設した、日本でもおなじみの「Airbnb(エアビーアンドビー)」と同じ民泊仲介サービス会社。中国国内だけでなく世界70カ国1100都市で、50万件以上の民泊物件が登録されている。

 北京から来日した途家オンライン技術(北京)有限公司の楊昌楽COOによると、1日1000件から2000件、新しく物件が登録されている。その一方で、サービスのレベルに合っていない物件の取り消しも行なっているという。

 既に日本でも、日本在住の中国人等を中心に、民泊物件が「途家」で登録されている(登録数は非公表)。日本を旅行する中国人が、多く利用する。

 なぜ途家は日本市場を強化するのか。住宅宿泊事業法(民泊法)の成立の影響はもちろんだが、日本の民泊市場規模の拡大の見込みと、中国人需を取り込める余地が大きいからだ。

 楊COOは「日本では民泊法が成立するのと、2020年には東京五輪が控えることもあり、今がチャンス」と会見で力を込めた。

 同日本法人の鈴木智子代表取締役はこう分析した。

「中国人の所得増や受け入れ国のビザ緩和によって、大幅に海外旅行者数が増加している。今後も民泊市場の拡大の余地があるとみられる」

 訪日外国人は16年に2404万人まで急増し、その内、中国人は637万人と27%を占めた。訪日中国人は今後更に増えると見られる。途家は、日本の中国人向け民泊市場が20年には500億円、25年には625億円になると予測する。

 途家は昨年4月に日本法人を立ち上げ、今年3月には日本語版を開設した。積極的に登録物件の拡大、顧客対応や直営管理やサービス強化、業務提携などを図っている。大阪にも既に営業拠点があり、年内に支店を開設する。日本人が空き部屋、空き家を物件登録することも可能だ。  
 
 業務提携する楽天LIFULL STAYは、民泊サイトを民泊法施行後にスタートする予定で、国内物件の開拓など準備を進める。

 太田宗克代表取締役はこう期待する。

「途家との業務提携により、中国へのユーザーへの発信に期待でき、アジア圏からの集客を一層強化する。また、中国人の需要が高いエリアといった情報を持っているので活用したい」

 途家は日本での登録物件数を25年までに20万件を目標に掲げる。中国最大手というポジションを活用し、日本でもビジネスを広げていく。東京五輪までには日本人でも途家に泊まれるようになるかもしれず、ホテル業界は戦々恐々だろう。(本誌・大塚淳史)

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