「コンビニ百里の道をゆく」は、52歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。



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 首都圏で展開している「ナチュラルローソン」が今年、20周年を迎えました。1号店は、2001年に東京・自由が丘にオープンしました。

 社内公募での「家族が健康になれるコンビニ」という提案をきっかけに、「美と健康」をテーマに、既存のコンビニにはない店をつくろうとスタートしました。当時は時代の先端を行くテーマでしたが、近年、「美と健康」について、お客様の意識の変化があるように感じます。

 まず、美と健康は別物ではなく、相響き合うものだということ。「健康美」という言葉もあるように、美しくあるためには健康で、そして「健康であること=美しい」と。

 二つ目は「美と健康を守ること」は地球にもいえる。そんな意識の高まりです。「地球の美と健康」あっての「人の美と健康」。その結果、美と健康は「皆で目指すもの」になり、日常の中に自然に溶け込んできたなと感じます。

「日常」になることで、「美と健康に関するジェンダーの差」も感じなくなりました。最初の頃は、おしゃれな女性向けの化粧品や可愛らしい文具を置いたので、「どちらかというと女性向けでしょ」というイメージがあったかもしれません。でもいまは男性のご利用も多くなりました。

 20周年を機に、木製素材スプーンや紙袋入りの割りばし、便利でかつ無駄をなくせる食品の量り売りの実験を一部店舗で導入しています。

「美と健康」を考えてのポイントの一つは「機能的であること」。木製スプーンにしても「機能美」を兼ね備え「実用性」も高いものにしました。木製スプーンと割りばしは、計画的に生育の早い木材を使用することで森林保護に配慮するとともに、プラスチック製から紙製の袋に変更しています。これからも「地球の美と健康」も意識した取り組みを、さらに先鋭的に追求していきたいと考えています。

竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長

※AERA 2021年9月6日号