「コンビニ百里の道をゆく」は、52歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。



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 9月5日、東京パラリンピックが閉幕しました。素晴らしい大会だったと思います。その象徴が開会式。感動しました。

 車いすに乗って「片翼の小さな飛行機」を演じた13歳の女の子は、ご自身も両足と左手が不自由だそうです。表情や動きの輝きに引き込まれました。また障害のある方も健常者も、それぞれが自分を思いっきり表現している光景は、まるでいろんな花々が咲き乱れているよう。「ダイバーシティー&インクルージョン(D&I・多様性と包含)」と言われますが、私たちがめざすべきD&Iとは、あの開会式のような世界を作っていくことだとも考えました。次のパリ大会ではさらに進化した世界観が示されるでしょう。今から楽しみです。

 今回のオリパラの東京大会では、来日した外国人の方が、「日本のコンビニ」で感激した商品をSNSに上げ、たびたび話題になりました。ローソンの商品も「説明できないエッグサラダサンドイッチのおいしさ」「ビールを飲みながら砂肝パックを食べるのは、まるで瞑想のよう」など、たくさん取り上げていただきました。

 外出制限のなか、ウーバーイーツの配送や出張販売などサービス面も好評でした。

 車いすテニスの英国チームの事前合宿先で実施した出張販売では、コロナ禍で自由に外に出られない選手に、買い物やコミュニケーションの喜びを感じていただこうと、リクエストのあったナッツ類や、日本のお菓子などを販売しました。

 私たちの商品やサービスを、世界の方々が認めてくださり、喜んでいただけたこと。モチベーションにもつながりますし、海外の方々に改めて私たちの良いところを認識していただいたことで、多くの気づきがありました。この気づきを、今後に生かしていきたいと思います。

竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長

※AERA 2021年9月13日号