「コンビニ百里の道をゆく」は、52歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。



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 中国本土における日系コンビニエンスストアの中で、店舗数が最も多いのはローソンなのは、ご存じでしょうか。総店舗数は今月に入って、ついに4千を超えました。今後も2022年度には6千店舗、25年度には1万店舗に、という目標を掲げています。

 14億の人口を抱え、消費意欲も旺盛。コロナ禍の前から日本にはたくさんの人たちが来られていますから、日本のコンビニのこともよくご存じです。スムーズに出店を展開できる素地がすでにあることに加え、コロナのような危機を経たことで、マチのインフラとしての役割をさらに認めていただけるようになったと感じています。

 平時は便利で、忙しい日々の生活を支える。有事のときには、頼りになる。そういう存在であるという認識が中国で浸透し、「出店を検討したい」というお話をマチマチからいただくようになってきています。

 また、中国はデジタル大国です。もともと中国の店舗の方が、デリバリーサービスやセルフで済ませられる「無人レジ」の導入も早かった。上海では数年前、「無人コンビニ」の実験もはやりました。 ローソンでは今年7月にパナソニックと協力し、専用アプリで注文した商品を店員さんと接触せずに受け取れる非対面のロッカーや、商品や広告などを表示するデジタルサイネージを導入した店舗を大連にオープンしています。

 リアルなお店に店員さんはいて、そこにデジタル技術も組み込むことで、温かみに加えスピード感や便利さがさらに向上する。中国におけるローソンは、私たちがめざす「マチのほっとステーション」の「次世代型」を体現してくれる存在でもあります。

 今後も先鋭的なチャレンジを中国で行い、その成果を日本の店舗でも生かす。そんなこともできればと期待しています。

竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長

※AERA 2021年9月20日号