AERA2017年6月26日号(19日売り)の表紙に、蜷川実花の撮影で俳優の門脇 麦が登場した。

「ほめられるとソワソワしちゃう。 うれしいけど、得意じゃないので」

 今年だけですでに2本の映画が公開され、主演作を含む3本が待機中。連続ドラマにも出演し、大活躍中だ。多くの監督に愛される「若手演技派」だが、芝居に限らずほめられるのは苦手。その普通さが、自然体と言われるたたずまいの根底にあるのかもしれない。

 演じることを楽しめるようになったのは、ここ半年くらいのことだという。

「以前は役にストイックに向き合いすぎて、何をしていても常に撮影中の役を引きずってました。でも、精神的にすごくキツくて。だんだんとカメラの前でだけ、集中できるようになりました」

 みんなで楽しいものを作ろうと考えることで、自身を解き放てるようになった。

「楽しむための筋力がついたのかな。つらいと思うほうが簡単で、ある意味逃げだから、楽しむことを自分で選びました」

 公開中の映画「こどもつかい」の現場でも、とても楽しんだと話す。ホラーは大の苦手だったが、

「子役の子たちが可愛くて、でも段取り通りにお芝居できるかという意味でドキドキして。完成品がちゃんと怖い映画になっていたので安心しました」

 と笑う。演じたのはトラウマを抱えたヒロイン。近く公開の映画「世界は今日から君のもの」の引っ込み思案で内気な主人公とはかなり異なるキャラクターだ。カメラの前では常にまっさらだから、できるのだろう。

「演技することはすごく恥ずかしいんですけど、それがなくなるまで自分の中のダイヤルをピピピッと合わせます。なんというか、“体の具合”なんですよ。“たたずまい”って言葉が近いかな。『こういう服を着て、こういう仕事をしてる人』に違和感がなくなって体の内側からしっくりくる感じまで、ピピピッて。それが自分の役作りなのかなと思います」

 以前は「この監督と仕事がしたい」という欲があった。いまはもっとシンプル。

「人です。人が集まるとエネルギーが生まれるし、俳優という私の立ち位置だと私自身のエネルギーで何かを変えられるかもしれない。いろんな人に会いたいというのが、いまの私のよりどころですね」(ライター・早川あゆみ)

※AERA 2017年6月26日号