たくさんの人と会い、仕事をする芸能界。そこで相手にどんな印象を残すかが、その後の仕事を左右するという。それはきっと一般社会で働く人たちにも通じるものがあるだろう。大物司会者の番組にも出演するカンニング竹山さんには、人付き合いを楽にする“あるルール”があるという。

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 実は、僕は昔から人見知りで、人がいっぱいいるところが好きじゃなかったんです。でもこんな仕事をしているから、たくさんの初対面の人と話したり、絡んだりする。

 12年前に“探偵”に選んでもらった『探偵!ナイトスクープ』(朝日放送)も、最初、辞めたくて仕方なかったですね。毎回良いVTRが撮れないし、どうしたらうまくいくのかわからないし。3年ぐらいずっと悩んでいました。

 スタッフの方たちに相談に乗ってもらったり、悩みながら場数を踏んで、たどり着いた結論。それが人と上手く付き合いたければ「人を好きになる」ということでした。男と女の関係じゃなくて、1人の人間として好きになろうと思ってしゃべる。本当は相手を疑ってかかるほうが安全なんだけど、そうしないってことです。好きなところを見つけようと思うから、より早く仲良くなれる。

『ナイトスクープ』のロケで出会った人を好きになって、この人をいい感じでテレビに出してあげたい。この人が損しないように出してあげたいって思う。そうすると、うまくいくようになったんですよ。

 最初から「自分のことを好きになって欲しい」って自分中心に考えて、人付き合いを始めるとダメなんですよ。それだと受動的になっちゃって、「はい、はい」とだけ言って会話が終わっちゃう。けど、自分から「好きになろう」と思えば能動的になれる。いっぱい話しかけろって意味じゃなくて、精神的なものでいいと思うんですよね。まず自分がみんなのこと好きになろうってところから人間関係は始まっていくんです。

 もちろん、その中でも嫌な人は出てきますよ。すごく性格悪いとか、無茶ばかり言ってくるとか、人間的にちょっとダメな人はいるじゃないですか。犯罪の匂いがする人も。みんながみんな好きになれるわけじゃないから、そんな人に出会ったら、そのときに自分で判断すればいいんですよ。

 僕も嫌いな人はいっぱいいますし、そういう人とは無理して連絡取るようなことはしない。でも、また会うことになれば「何で俺はこの人のことを嫌ってたんだろうな」、「もう一回好きになってみよう」と思います。改めてしゃべってみたら、俺が間違ってたなってこといっぱいありますし、やっぱダメだなってこともあります。

 あえてどこでも出会いに行く必要はないと思いますけど、仕事とか学校とか、知らない人と喋らなきゃいけないシーンは多々ある。だから出会った人は、見た目でもいいし、しゃべりかたの「うーんと」って言うところが好きだなーとかでもいい。そうやって考えると楽だと思います。

 こんなタイプのオジサンは嫌いとか、こんなタイプのオバサンは嫌いとか、誰でも苦手なタイプがあると思うんですよ。でも、嫌いって思っていると、その人の意外と好きなところを見つけるまでに結構時間がかかったりするんですよね。「こんなタイプのおばさん嫌いだけど、今日は好きなってみようかな」って思うようにする(笑)。色恋じゃなくて、好きな人間としてしゃべっていこうって。

 人付き合いで悩んでいるなら、これできっと楽になりますよ。