漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏は、「セシルのもくろみ」(フジテレビ系木曜22:00〜)を取り上げ、主演・真木よう子のSNSに言及する。

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「宮地奈央(真木よう子)34歳。埼玉県北春日部出身です」。惣菜屋でパートしてる普通の主婦がスカウトされ、女性ファッション誌の読者モデルに。

 同じ枠の前クールドラマ「人は見た目が100パーセント」は、地味なOL(桐谷美玲)がキラキラ女子に変化していくドラマだったけど、また似たような文脈。しかし桐谷は地味なOL風じゃないし、真木もとうてい普通の主婦には見えないし、どちらも強風吹いたら吹っ飛んでいきそうなくらいガリガリで心配だ。

 そんな激ヤセヒロイン・宮地に「もっとやせて!」と言うライター沖田(伊藤歩)。ドラマ上のヒロイン設定と、演じる女優のビジュアルにギャップがありすぎて困惑する。そもそも女性誌読者モデルって、今どき主婦の憧れの存在なんだろうか。後から後からわいて出て、よく「ヒルナンデス!」のコーデバトルコーナーに呼ばれてるよね?くらいの認識なんだけど。

 今やSNSや動画サイトを活用して、誰でも有名人になれる時代。雑誌に載るよりも、たやすく賞賛の声を集められる。実際、真木本人も、このドラマに合わせてツイッターを始め、かなりはまっている様子。

「嗚呼! もうすぐだよ!フジテレビつけて!! 早く早く!」と、ヒロイン自らが、ツイッター上でドラマの感想実況しているのを初めて見た。一人副音声か。

「病的にやせすぎ」「異常なテンション」など、低視聴率の要因を一般人がつぶやけば、すかさずそれをRT(リツイート)し、「大半の方がそう思われると思うのですが、DM(ダイレクトメッセージ)で、きちんと指摘してくださった方に真実を伝えております」と、直接語りかける「松居(一代)のもくろみ」作戦。

 いったいどんな真実なのか。ヒロインの瞳(カラコン?)が黒々とデカ目すぎて、「実は私は宇宙人で、密かに米軍基地を脱出し……」とか言い出されても、はい、そうですかと思わず納得しちゃいそう。

 周囲のことなんか知ったこっちゃないアグレッシブツイートは、ヒロイン宮地そのもの(リアル自宅?の寝具の柄が「おそ松さん」という微妙さも)。このドラマ、真木のツイッターと併せて見るのが正しい鑑賞法なのかも。フジテレビは、これからドラマ画面の下側に真木のライブツイート流してみるといいよ。

※週刊朝日 2017年8月11日号