<最近裏切られたことがあって心から悲しくて沈んでいるんだけど>

 人気タレントのローラが、こんな意味深なツイートをしたのは、6月16日のこと。その後も、<いま誰のことも信じられないくらい怖いんだ><黒い心を持った人とは絶対に一緒にいたくない>などというツイートが翌17日にかけて続き、ついに「週刊文春」(8月9日発売)で、ローラの独立をめぐる所属事務所との確執が報じられた。

 10年に渡る長期専属契約に縛られた状態であるというのだ。所属事務所とタレントとの契約をめぐる騒動は、能年玲奈(現・のん)や、幸福の科学に出家した清水富美加(法名・千眼美子)なども記憶に新しい。

 こうした騒動を受けてか、芸能人やスポーツ選手が移籍・独立する際、所属先との間で独禁法上の問題となる契約や慣習がないかを議論する公正取引委員会の有識者検討会が8月4日、開かれた。ある芸能事務所幹部は言う。

「公取の規制強化によって、芸能プロも、昔のようなやり方でタレントを縛ることが難しくなってきた。ローラに関しては、父親が逮捕されたときの対応など、事務所もかなり苦労したことがうかがえますが、難しい時代だと思います」

 かつてはホリプロやサンミュージックなど、新人タレントを社長の家に住まわせて面倒をみたり、複数のタレントが生活する合宿所などのスタイルもあった。

「アットホームな徒弟制度、丁稚奉公というのがこれまでは芸能界で容認されていましたが、そういった慣例も対象になる可能性もあります」(同幹部)

 芸能リポーターの石川敏男氏はこういった慣例をこう解説する。

「タレントを縛り付けているような慣例のように誤解されますが、礼儀やマナーを教えたり、芸能活動だけでなく、世間で通用する人間として育てるという意味合いもあったんです。ただ、プライバシーの問題もあるので、社長などの個人宅に住まわせるようなスタイルはなくなってきました」

 石川氏によると、ローラのようなケースは珍しく、近年はしっかり契約を交わすことが多いという。

「だけど、ギャラが安いといっても、今の地位に売れたときの場合まで想定する契約書なんてありませんからね。タレントが事務所を辞めたいという思いと、うちが売り出してあげたのにという思いは、契約は交わされているけれども、気持ちの上では相容れないものがある。売るためにたくさんの経費を使ってきたのに給料が少ないと言われたら、そりゃもめますよ」

 このような契約上のトラブルの背景は、たいてい金銭面によるものが多い。

「仕事がものすごく増えたりしたときに、『あんなに仕事してんのにそれだけしかもらってないの?』と、周りのタレントに言われたり、親が口をはさんだりすることがきっかけだったりします。昔は慣例として表に出なかったものが、タレントも自由になって、いろんな手段で発言権も持てるようになった。だけど、タレントと事務所が最初に契約する時、売れた時、売れなかった時をそれぞれ想定して細かく契約書を作ることはできない。その状況は変わらないので、これからもこういった騒動は出てくると思います」

 石川氏は今回の公取の動きは事務所に対してのものなので、タレント個人にはさほど影響は与えないのではとみる。しかし、ローラの独立騒動は、長期化する可能性も高い。

 ローラの一連の意味深ツイートの連投は、<リスペクトをしあうことは物凄く大事なことだとおもう>というつぶやきでいったん終了している。

 互いのリスペクトの結果、明るく「オッケー!」と言うローラの姿がこれからも見られるだろうか。 (本誌 太田サトル)
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