今年も各界のみなさんが世をにぎわせてくれました。記憶に残る言葉の数々を総ざらいし、2017年を振り返ってみましょう。今回は解散・引退で注目された芸能界の名言の数々をお送りします。



2016年の大みそかで解散し、2017年は“SMAPがいなくなった年”として幕をあけた。9月には元メンバーの稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾が公式ファンサイトを立ち上げ、ネットテレビでの72時間生放送など積極的に動いた。ファンサイトのイメージ動画に映し出された言葉は、さまざまな解釈を生んだ。

 俳優・山本耕史と結婚した堀北真希をはじめ、江角マキコ、元乃木坂46の橋本奈々未らが芸能界を引退。グループとしての活動を休止したタッキー&翼といきものがかりなど、決意の言葉には印象的なものが多かった。清水富美加は幸福の科学への出家を宣言。発言を巡っては芸能界の契約問題も関わり、世の中に波紋を広げた。
 6月のAKB48選抜総選挙で、元NMB48の須藤凜々花が突然の結婚宣言。アイドルの恋愛・結婚について、議論を巻き起こした。

 安室奈美恵の引退は速報ニュースが流れ、衝撃が走った。発表後にリリースされたベストアルバムはミリオンセラーとなり、17年のアルバム売り上げトップとなる勢いだ。5大ドームツアーのチケットは争奪戦になっており、ブームは引退する18年9月まで続きそうだ。

 思わぬところで話題となった芸能人も多い。持ち馬のキタサンブラックが活躍した北島三郎。高校生がバブリーな衣装で1985年のヒット曲「ダンシング・ヒーロー」にのせて踊る動画が注目され、荻野目洋子も再ブレークした。

 16年に「恋」が大ヒット、出演したドラマと連動し「恋ダンス現象」が注目された星野源の勢いは17年も止まらなかった。第一興商DAMのカラオケリクエスト年間ランキングでも堂々の1位。本誌10月20日号のインタビューでは「誠実な人が好き」と語った。

 テレビやCMで大活躍、2017年最もブレークしたといえる芸人が、ブルゾンちえみwithB。オースティン・マホーンの「ダーティ・ワーク」の曲に合わせて放つ「35億」は、新語・流行語トップ10にも選ばれた。

 渡哲也が石原裕次郎没後30年の本誌インタビューで語ってくれた思い出。亡くなる半年ほど前、夕食を終えて二人でテラスに出て沈んでいく夕日を見ていたとき、「哲よ、人のしあわせって何かな」。ポツリ、ポツリと二度、同じ言葉を裕次郎は繰り返したという。

 2017年話題の人物たちにもそれぞれの「しあわせ」があり、新しい年を迎えることだろう。

■注目が高まった不倫や離婚騒動

 今年も、愛憎渦巻く離婚、不倫騒動があった。最も注目されたのは女優の松居一代。

「みなさん助けて お願いします」「私の命をかけたメッセージです」

 俳優の夫・船越英一郎や離婚を巡る報道について、鬼気迫る表情で訴える動画をネット上に次々と投稿。01年に結婚し「おしどり夫婦」として親しまれていたキャラとは違う姿は、“松居劇場”とも呼ばれた。船越とは離婚調停が始まり、船越の所属事務所ホリプロからは名誉毀損などで裁判を起こされた。

 ホリプロは12月14日に、調停離婚が成立したと発表。それによると、詳しい内容は明らかにできないが、慰謝料や財産分与はないという。松居は当初「最後まで戦う」と述べていたが、最終的には調停による離婚となった。

 松居は15日に“緊急会見”。船越について問われると「大っ嫌いです」「別の世界、星の人。真っ赤な赤の他人様」と語気を強めた。離婚については「本当に夢がかなって、年内に人生の大掃除をすることもできた」と満面の笑みで語った。

「一線は越えてない」発言が話題になったのは元SPEEDのメンバーで、自民党の今井絵理子参議院議員。神戸市議との“略奪不倫”疑惑が7月、週刊誌で報じられ、釈明に追われた。お相手の市議は政務活動費の不正請求疑惑が浮上し辞職。説明責任を果たさぬまま幕引きを図る姿は、お粗末な“SPEED辞職”とも揶揄された。

 3度目の不倫疑惑が報じられたのが女優の斉藤由貴。9月に不倫を認めて文書で謝罪し、複数のCMと来年の大河ドラマ「西郷どん」の降板が発表された。今回の不倫騒動で背負う違約金・損害賠償金は約4億円にも上るとされる。12月23日公開の映画でカムバックを果たすが、くしくも題名は「リベンジgirl」。2018年はリベンジの年となるか。

 沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり。ビッグカップルの結婚も相次いだ。“15歳差婚”は女優の佐々木希と、お笑いタレント・アンジャッシュの渡部建。9月にはEXILEのTAKAHIROと女優の武井咲が“授かり婚”を電撃発表した。

■麻央さんが死去 海老蔵の思いは

「愛している、と言って、彼女が……その一言を言って。(中略)本当にそれで、そのまま、旅立ちました」

 日本中の涙を誘ったのは小林麻央さんの死。乳がんを患い34歳で亡くなった妻への思いを、涙ながらに語った歌舞伎俳優・市川海老蔵の姿は多くの人の胸に迫るものがあった。

「初めて会った時の彼女から、今日の朝まで全部。全部です」

「麻央さんのどういう表情が思い浮かんできますか」という問いへの言葉には、7年間の結婚生活、そして2年8カ月にわたる闘病生活に寄り添ってきた、時間と絆の強さがにじんでいた。

 麻央さんの死から半年。海老蔵は現在、シングルファーザーとして幼い2人の子どもを抱えながら舞台などで頑張っている。

「舞台から離れると、子どものご飯の心配ばかりしている優しいパパ。麻央さんが残した宝物である2人の存在が、海老蔵さんを奮い立たせているのでしょう」(歌舞伎関係者)

 海老蔵は今年最後の舞台を終えた11月末から、子ども2人と麻央さんの家族とともにハワイに旅行した。40歳の誕生日を迎えた12月6日(現地時間)には、自身のブログに抱負をこうつづった。

「40歳!一番なりたかった年代にいよいよなれた!!!すごくうれしいです。(中略)男の色気や思考優しさをドンドン身につけていこうと思います」

 とはいえ、妻を失った悲しみはまだ癒えていない。

「まだまだ悲しさが底から溢れてくる」

 8日のブログには、こんな切実な思いもつづられた。

海老蔵の2018年は、1月3日から始まる舞台「初春歌舞伎公演」(新橋演舞場)で幕を開ける。「1〜2年後」と目される十三代目・団十郎の襲名に向け、多忙な日々になりそうだ。4月には、長女の小学校入学も控えている。悲しみを乗り越え、奮闘するその姿に、今年も多くの人が勇気づけられるだろう。(一部敬称略)

(本誌・上田耕司、太田サトル、松岡かすみ、大塚淳史、吉崎洋夫、秦正理、直木詩帆)

※週刊朝日 2017年12月29日号