漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏が、「コンフィデンスマンJP」(フジテレビ系 月曜21:00〜)をウォッチした。



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 ダー子(長澤まさみ)、ボクちゃん(東出昌大)、リチャード(小日向文世)という詐欺師トリオが、欲にまみれた者どもから大金をだまし取るというこのドラマ。とにかく広げる風呂敷がでかい、でかい。

 ターゲットをだますために巨大なニセ闇カジノ(客からスタッフまで全部仕込み)を作ったり、ニセ空港からニセ飛行機を飛ばしたり(これまたパイロットから乗客から、あやしむ警察まで全部仕込み)って、何それ、漫画の世界?

 勝手に飛行機飛ばしていいのか、日本。そしてどこの求人サイトに出てるんだ、集団詐欺バイト情報。と、そんな野暮なことは言ってくれるなって気配、見ちゃダメ、現実!という空気がほぼ全編に流れている。

 だってヒロインの名前がダー子ですよ。なんでダー子なのかと思えば、長澤がしょっちゅう「ダーッ!」って言ってる。そして泣き声が「ダハハハハハッ」。ちなみに笑い声は「ヴァーッハッハッ!」。

 長澤といえば大河ドラマ「真田丸」のきり役もそうだったけど、なんだかいつも無神経でガサツで脚がきれいでのびのびしてるって印象。今回も詐欺のシチュエーションごとに、CAや仲居姿にコスプレした長澤が、存分にガサツさと美脚を披露する。

 そして東出棒大、いや昌大。詐欺師ながら、ほぼ毎回ダー子やリチャードに一杯食わされてる、気のいいボクちゃん。そもそもボクちゃんの時点で「この演技、棒では……」と、視聴者のハートをモヤモヤさせながら、さらに詐欺のためにホストに化けたり、別人になりきるっつー棒の無限ループ。えっ、その詐欺演技でホントにだまし通せるの?と別の意味でスリル&サスペンスが止まらない。

 そんな棒を長澤が「ダーッ」と蹴散らしていくという、棒&ガサツが繰り広げるコンゲーム。この風呂敷は、お願い、小日向さんがたたんでちょうだい。

 ちなみにタイトルの「JP」とは「ジャパン」のこと。古沢良太脚本を元にして、日中韓同時にドラマを作っているそうですよ。中国版は「コンフィデンスマンCN」で、韓国版は「コンフィデンスマンKR」なんだって。アジア全域に広げすぎて、ペラペラになりそうな風呂敷。なんだったら北朝鮮版「国家的コンフィデンスマンKP」ってのも見てみたい。

※週刊朝日 2018年5月4−11日合併号