漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏が、「おっさんずラブ─in the sky─」(テレビ朝日系 土曜23:15〜)をウォッチした。



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 ポンコツ男・春田創一(田中圭)が、上司(男)や後輩(男)から告白されあたふたする、おっさんのラブを描いたこのシリーズ。

 単発ドラマから始まり、昨年の連ドラ(シーズン1)は、視聴率はふるわずともTwitter世界トレンド1位を獲得して話題に。

 単発版から田中と共に出演している黒澤武蔵役の吉田鋼太郎いわく、「田中は『男はつらいよ』シリーズの寅さんの代わりになる」そうだけど、どちらかといえばいつもフラれている武蔵の方が寅さんっぽい。

 そんなシーズン2の舞台は不動産から航空会社へ。寅さんの柴又のだんご屋が、新大久保のタピオカ屋になったらビックリするけど、黒澤部長が黒澤機長になるくらいはまぁ想定内?

 そして春田をめぐる男模様も増員。黒澤機長を筆頭に、ツンデレな副操縦士・成瀬(千葉雄大)、料理好きな整備士・四宮(戸次重幸)。6話からはバチェラーCA(なんだそりゃ)獅子丸(山崎育三郎)も参戦する。やけにおしゃれな社員寮で繰り広げられる「恋の乱気流」は、つまりおっさんず「テラスハウス」をやりたかった感がある。

 で、やたらイケメンたちが密着したり、キスしたりするのを「ささ、どうぞご覧ください!」て胸張られてる気配がするが、シーズン1が熱く支持された理由は、きっとそこじゃない。

 王道のラブストーリーを実力派の俳優陣が真剣に演じたら、おっさんだろうがなんだろうが普遍的な恋のせつなさにグッと来た前作。それはやさしさゆえに流されてばかりいたポンコツ男が恋を自覚し、ワンアップする物語でもあった。

 でも今回はその過程が見えぬままに、コント「お父さんと娘から告白された」「卓球で告白大会」「先輩(男)からお試しで1週間つき合おうと誘われる」を連続で見せられている感じ。

 雨の中でのハグや「俺じゃだめか」なキスだって、そこに至るアレコレがなきゃ、せつなさも3割引き。春田愛を貫く武蔵は、なぜか幽体離脱したり、ちっちゃいおじさんになって鍋の横にたたずんだり、突然沖縄弁で「告白サー、好きってことサー」と叫んだり。

 え? 前作からふくらませるのそこ? そうじゃないんだ、そこじゃないんだ。もうどうせなら、ディスパッチャー役の正名僕蔵と吉田鋼太郎が結ばれるくらいのインパクトがほしい。

※週刊朝日  2019年12月20日号