“恋愛モンスター”安田大サーカスのクロちゃんが真実の愛を語る連載「死ぬ前に話しておきたい恋の話」。今回のテーマは、6月1日に芸能界引退を発表した「渡辺麻友」。AKB48をデビュー当時から応援しているクロちゃんにとって、渡辺麻友さんの引退は衝撃的だったという。そんなクロちゃんが「一生忘れられない」と語る、ある騒動の裏で渡辺さんがみせたアイドルらしからぬ一面とは――。



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 まゆゆ(渡辺麻友)の引退を聞いた時、とにかく「もったいない」って思いがいちばん最初だった。

 まだ年齢だって26歳だし、あれだけの逸材ってなかなかいない。AKB48を卒業した後も、女優さんとして活躍していたから、ほんとに驚いた。

 ボクは、AKB48がデビューした頃からずっと応援している。これまでも、あっちゃん(前田敦子)や優子(大島優子)、こじはる(小嶋陽菜)とか、いろんなメンバーがいたけど、いちばんアイドルを体現していたのが、まゆゆだったと思う。きっと、ファンなら、誰に聞いてもそう答えるんじゃないかな。

 AKB選抜総選挙で3連覇を達成したさしこ(指原莉乃)も、すごい人気だったけど、アイドルというよりは、どちらかといえばバラエティタレントっていうイメージが強かったでしょ?(笑)

 AKB48のアイドル像が保たれていたのは、まゆゆの功績がすごく大きいと思う。まゆゆがAKB48にいてくれたら、グループとしては、ずっと安泰だなとさえ思っていたくらい。

 そのぐらい、まゆゆは「THE アイドル」だった。

●命がけでアイドルをやっていた

 まゆゆの活動の中で、最も印象に残っているのは、2017年に行われた第9回AKB選抜総選挙。ここで、ある騒動が起きた。

 あるメンバーが、突然ステージ上で「結婚宣言」をしちゃったんだよね。

 あの時の、まゆゆの「苦虫を噛みつぶしたような顔」を、ボクは一生忘れられない。

「総選挙は、AKB48のみんなの大切な舞台なはずなのに、なにしてくれてんだ!」っていう、本気の嫌悪感。

 いつも、どんな時でも、アイドルとして、笑顔でステージに立ち続けていたまゆゆのあんな表情…ボクは初めて見た。

 あの瞬間、まゆゆは命がけでアイドルをやっているんだなって感じたのを覚えている。

●とにかく幸せでいてほしい

 今のアイドルって、ほんとうに大変だと思う。

 テレビやライブのお仕事はもちろんだけど、土日は握手会にだって駆り出されるし、ファンともSNSなんかで積極的に交流もして、私生活も切り売りしないといけない。

 その都度、いろんな事を言われるから、すべての意見に耳を傾けてしまうと、頭がパンクしちゃってもおかしくない。

 ボクも報道ベースでしか分からないけど、そんな環境の中でも、まゆゆは誰にも相談とかしてなかったみたいだね。きっと、その分、溜まっていたこともあったんじゃないかな。もしかすると、すべてを一人で抱えすぎてしまったのかもしれない。

 ボクたちファンは、まゆゆから、たくさんの感動をもらってきた。自分のことじゃないのに、順位が上がったり下がったりで一喜一憂して、泣いたりできるってすごいでしょ?

 引きこもりの人が、コンサートや握手会に行きたいからって、何年か振りに部屋から出られたなんて話も聞いたこともある。

 まゆゆの存在が、生きる喜びだった人たちがたくさんいるんだよね。

「引退」はもったいないけど、これまで最前線でずっとAKB48やファンのために頑張ってきたんだから、これからは“自分のこと”だけを考えて、ゆっくり休んでほしいなって思う。

 ボクらに大きな夢を与えてくれてありがとう。

 まゆゆが、幸せでいてくれることを願ってるしん!

(構成/AERA dot.編集部・岡本直也)