コロナ禍の巣ごもりで大旋風を巻き起こしている韓流ドラマ。そこで本誌が好きな俳優、女優、脇役、作品などについてのアンケートを募ったところ、5千を超える激熱な回答をいただきました。そのなかから「一番好きな韓流俳優ランキング」としてまとめた結果を発表します。



「日本でヒットする韓流ドラマは、イケメン俳優×ロマンチックコメディー。男性主人公がイケメンであることが欠かせません」

 韓流文化に詳しいソウル在住のライター、成川彩さんはこう断言する。本誌が実施した韓流ドラマに関するアンケートの中で、「一番好きな韓流俳優」のランキングをまとめた。アンケートに寄せられた5149票の回答の98.5%が女性だった。そのうち50代が40%、40代が27%を占めた。多くの人から支持された外せない俳優は誰なのか。その背景を掘り下げながら順を追って紹介しよう。

 最も多い票を獲得したのは、今週号の表紙を飾るパク・ソジュン(31)。日本でも社会現象になりつつあるドラマ「愛の不時着」と人気を二分するヒットドラマ「梨泰院(イテウォン)クラス」で主人公を演じ、日本での知名度がぐんとアップした。「花郎<ファラン>」(2016〜17年)など人気ドラマに出演し、韓国で観客動員数550万人を突破した大ヒット映画「ミッドナイト・ランナー」(17年)に主演。この作品は中島健人と平野紫耀のW主演ドラマ「未満警察 ミッドナイトランナー」として日本でもリメイクされている。「韓流ぴあ」の露木恵美子編集長は言う。

「下積みを重ねてきた人で、演技力も確か。コミカルな役からシリアスな演技まで、どんな役でも演じられて安定感があります」

 韓国では、男性は満28歳の誕生日を迎えるまでに兵役に就く義務がある。男性芸能人の多くがギリギリの年齢で兵役に就く中、ソジュンは大学在学中に兵役を終えて事務所に所属。俳優業を休むことなく、着実に知名度を上げ、快進撃を続ける。鍛え抜かれた肉体でアクションもこなし、男性人気も高い。「韓国TVドラマガイド」の高橋尚子編集チーフも太鼓判を押す。

「以前インタビューした時に、“長男なので、弟たちの見本になるような生き方をしないと”と話していて、典型的な韓国の長男として育った人だなと感じた印象があります。共演者からも“いいお兄さん”という表現をされることが多く、男気のある人。仲間を大切にする兄貴分というイメージは、『梨泰院クラス』の主人公にそのまま当てはまる印象です」

 2位にランクインしたのは、この5月に兵役が明けたばかりの“グンちゃん”ことチャン・グンソク(32)。言わずと知れた人気ドラマ「美男<イケメン>ですね」(09年)で大ブレークし、11年には日本で歌手デビューも果たした。中性的な容姿に愛くるしい笑顔で爆発的な人気を獲得。日本語が達者で、“オレ様”キャラでジョークを飛ばすのもお馴染みだ。今年6月に開催されたオンラインファンミーティングで2年ぶりにファンの前に姿を見せ、ファンを喜ばせた。ブランクを経てもなお人気が衰えず、復帰を待ちわびたファンの熱い思いがあらわれた結果だ。「韓国TVドラマガイド」の高橋チーフは言う。

「日本向けに活動をたくさんしていたので、日本のファンとの強く固い絆があります。キャリアも長く、ファンが望むことを理解した上で行動している印象。兵役期間は色々と考える機会になるようで、除隊後にぐっと伸びてくる俳優が多い。そうした意味でも、30代に入り新たなステージを迎えたこれからの活躍に、ますます期待したいです」

 今の韓流ドラマブームの代名詞とも言える「愛の不時着」で主演を務めたヒョンビン(37)は3位にランクイン。日本でも、ヒョンビンをきっかけに韓流ドラマにハマる人が続出した。185センチの高身長に精悍な顔つき、チャーミングなえくぼ。パク・ソジュンと同様に、女性だけでなく男性からの人気も高いことが特徴だ。All About韓国ドラマガイドの安部裕子さんは言う。

「ヒョンビンの圧倒的人気は、兵役でついたイメージも大きい。軍隊の中でもランクが高く過酷とされる海兵隊に自ら志願したことで、韓国人が広く認める存在になりました。『愛の不時着』のヒットも、軍人という役柄と、本人の持つ魅力や性質がシンクロしていることも大きいはず」

 韓国では「韓流スター」や「イケメン俳優」という言葉が、ある種の揶揄をもって語られる傾向がある。演技力で勝負する正真正銘の「俳優」とはまた違った意味で語られる言葉で、アイドル的な人気を指す意味合いが込められている。

「冬ソナブームで大ブレークしたヨン様が、“韓流スター”で終わった人なのに対し、ヒョンビンは、“イケメン俳優”からの脱皮がしっかりできている稀有な存在。韓国が世界に自慢できる国民的スターです」(安部さん)

 韓流ドラマに詳しいライターの酒井美絵子さんは、作品選びに長(た)けた俳優でもあると分析する。

「『私の名前はキム・サムスン』(05年)、『シークレット・ガーデン』(10〜11年)、『愛の不時着』と、社会現象になるほど話題になった出演作がこれで3作目。俳優として自分をどう見せるか、どう役の幅を広げていくかといった戦略がきちんと立てられている人だと思います」

 4位にはドラマ「天国の階段」(03〜04年)で大ブレークした“涙の貴公子”ことクォン・サンウ(43)がランクイン。5位は、映画のヒット作も多いコン・ユ(41)。07年のドラマ「コーヒープリンス1号店」でブレーク。16年、映画「男と女」で注目を集め、同年、放送が始まったドラマ「トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜」で人気を不動のものにした。「韓流ぴあ」の露木編集長は言う。

「北欧を舞台に、道ならぬ恋に突き進む男女の姿を描いた映画『男と女』で、久しぶりに火が付いたと思います。ちょうど同時期に大ヒットを飛ばしたドラマ『トッケビ』も始まり、コン・ユにハマる女性が続出。女性が“夢の中に出てきてほしい”と願うような色気のある俳優です」

 アンケートの自由記述欄で圧倒的に多かったのが、東方神起・JYJの元メンバーで、歌手で俳優のパク・ユチョン(34)。薬物問題などで物議を醸し、芸能界引退の意思を明らかにしたものの、オンラインを中心に活動を継続。そんな中でも多くの票数を集めた。

「アイドルと演技が両方できる“演技ドル”の立役者。スキャンダルさえなければ俳優として成功したと思うのですが……」(高橋チーフ)

(本誌・松岡かすみ、岩下明日香)

※週刊朝日  2020年7月24日号より抜粋