看板キャスターの「卒業」が相次ぐ。安藤優子さんが出演するフジテレビ系の情報番組「直撃LIVE グッディ!」が9月末に終了し、テレビ朝日系の報道番組「サンデーステーション」の長野智子さんも同月の降板が決まった。来年3月には、小倉智昭さんの「とくダネ!」(フジテレビ系)も終わると報じられた。一方、降板が有力とされていたあの局アナは、残留が濃厚なようだ。



 キャスター降板が重なったのは偶然か? テレビ解説者の木村隆志さんはこう指摘する。

「コロナの影響でテレビ局の広告収入が減り、経費削減が求められています。報酬の高い(番組進行役の)MCはリストラの候補となりやすい。さらに“前例踏襲”的に続いた過剰な演出や取材手法などの課題も浮かび上がりました。番組作りを根本から見直す動きが強くなっています」

 精神科医の香山リカさんも言う。「MCは番組の“顔”。視聴者もその人の見方を信用して見ていることが多い。ただ“大物”であるほど安心感が得られる半面、その見方に縛られて価値観の変化についていけなくなるリスクもあります」

 リーマン・ショック後の状況に重ね合わせるのは、立命館大学の飯田豊准教授(メディア論)だ。

「みのもんたさんの『おもいッきりイイ!!テレビ』(日本テレビ系)が終わったり、『ひるおび!』(TBS系)が始まったりと大改編だった2009年春を思い起こさせます」

 長野さんの後任は、テレ朝の小木逸平、森川夕貴の両局アナに決まった。小木アナは、コロナ問題で批判された富川悠太アナに代わり、「報道ステーション」のメインキャスターになるとうわさされた。テレ朝の関係者は「小木アナと森川アナの負担が増えるので、この時期に富川アナを降板させることはないだろう」と降板説を否定した。

 飯田准教授はこう見る。

「1980〜90年代は久米宏さんや筑紫哲也さんのような男性キャスターが求められた。2000年代はタレントやお笑い芸人ら“寄り添い型”のキャラクターが起用されるようになったが、闇営業や不倫などの不祥事に視聴者はうんざり。当面は一定の訓練を積み、身元もしっかりした『局アナ路線』が進むのではないでしょうか」

(本誌・池田正史)

※週刊朝日  2020年8月14日‐21日合併号