“美の総合商社”とも称される「オスカープロモーション」が激震に見舞われている。

 今年に入って、約27年間在籍した看板女優・米倉涼子(45)をはじめ、岡田結実(20)やヨンア(34)、長谷川潤(34)、忽那汐里(27)などの所属タレントが続々と退社した。さらに、ここにきて堀田茜(27)、福田沙紀(29)、紫吹淳(51)、そして剛力彩芽(28)までも退社が報じられたのだ。



 オスカーといえば、2年ほど前から創業者で現会長の古賀誠一氏の娘婿の役員による社員へのパワハラ疑惑が「週刊文春」などで伝えられていた。それにより、多くの社員が同社を離れていったとされる。

「パワハラの真偽は別として、週刊文春が記事を報じる以前から、オスカーから短期間に数多くの社員が退社していることは業界内でも知られていました。芸能界は業界内転職が多い業種ですし、実際に元社員の中には他の芸能事務所やレコード会社、広告代理店などに移籍した人も多いので、週刊誌などで取り上げられるのも時間の問題でした」(民放の情報番組スタッフ)

 その後、スタッフのみならず所属タレントも相次いで退社してしまっているわけだが、そんな中でも業界に大きな衝撃を与えたのが米倉の独立だったという。

「米倉さんは事務所の看板女優、稼ぎ頭というだけでなく、現会長の古賀誠一さんと固い絆で結ばれていました。米倉さんは一介のモデルだった自分をトップ女優に育ててくれた古賀さんに恩義を感じていたことから、長年にわたってハードスケジュールをこなし、私生活よりも仕事優先をして事務所に貢献してきました。一方の古賀さんも米倉さんを日本を代表する女優に育てようと、仕事選びからマスコミ対策に至るまでかなり力を入れていました」(スポーツ紙デスク)

「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」など、同社所属時の米倉の主演ドラマには“企画協力”などの形で古賀氏個人の名前がクレジットされていたが、それも2人の強固な関係の表れだろう。米倉が退社した今年3月末は、古賀氏が社長から会長となるタイミングだったので「古賀氏が社長から離れたことが原因か」ともささやかれた。だが、前出のスポーツ紙デスクは予想外だったという。

「古賀さんは会長としては残りますし、米倉さんを慕っている女優も多かった。『他のタレントが辞めても米倉さんだけは最後まで残る』というのが業界内の大方の見方だったので、退社には本当に驚きました」

 米倉をはじめとする人気タレントたちの退所ラッシュは、事務所の行く末にも暗い影を落とし始めそうだ。

 オスカーは1980年代後半から90年代にかけて活躍した後藤久美子(46)のブレークをキッカケに躍進し、自社が手掛ける「全日本国民的美少女コンテスト」出身の米倉や上戸彩(34)、剛力、河北麻友子(28)、武井咲(26)などが相次いで活躍したことにより、芸能界に一大勢力を築いてきた。その躍進を陰ながら支えたのが、最盛期には6000人以上いるとも言われた“オスカー美女軍団”の存在だという。

「大所帯であるオスカーには女優ばかりでなく、『オスカー美女軍団』と呼ばれる多数の女性モデルが在籍しています。とはいえ、そのほとんどはまだ大きな仕事がない“タレント予備軍”です。中にはレッスン料を払いながら系列会社のスクールに通ったり、プロフィルに使う宣材写真代を自腹で払って活動を続けている女性もいます。人数が膨大なだけに“諸経費”も事務所にとってもそこそこの収入となるようです。こうしたビジネスが成立するのも、オスカーの看板タレントがテレビなどで派手な活躍をすることで事務所のブランド力が上がり、“オスカーに在籍するモデル”という肩書に価値がつくからです。その意味で、スタッフやタレントの大量流出という報道は、当然『オスカー美女軍団』の人材確保にも影響するでしょう」(前出のスポーツ紙デスク)

 また、タレントの相次ぐ退社は、同社が独自に展開してきたタレントの「売り出し戦略」にも影響が出る可能性がある。芸能ジャーナリストはこう語る。

「かつての米倉さんや上戸さん、福田さん、武井さん、剛力さんもそうでしたが、オスカーは上層部が“これぞ”と判断した期待したタレントにはバンバン仕事を入れて、大規模なプロモーションを展開して売り出す傾向があります。まだそれほど実績がないうちから、いきなり大手クライアントのCMに出演させたり、連続ドラマや映画の主要キャストにブッキングしたりすることで知名度や露出度を高め、タレントとして一気にステップアップを図るわけです。ただ、露出と人気との間に大きなギャップが生じると“ゴリ推し”との批判の的にもなりかねません。しかも、売り出し中はハードスケジュールが続くので、タレント本人は精神的にも、肉体的にもかなり疲弊することになります」

 実際、今でこそ人気女優の地位を築いている米倉や上戸、武井もかつては主演ドラマの視聴率が振るわずに“低視聴率女優”扱いされたこともある。また近年では、本格的な女優転身後にドラマや映画、CMなどで引っ張りだこで歌手デビューまで果たした剛力も、一時期は“ゴリ推し”との批判を浴びる憂き目にもあった。いわば期待の裏返しのスパルタ教育とも言えるわけが、

「こうした売り出し戦略ができるのは、数多くの売れっ子タレントを抱えて、テレビ局や映画会社、大手広告理代理店、大手クライアント企業、スポーツ新聞をはじめとしたマスコミ各社などに対して強い影響力を誇っているからです。となると当然、今年に入ってからの人気タレントの大量離脱は、会社の次世代を担う若手の育成やプロモーションという点においても多大な影響を及ぼすことになるでしょう」(前出・芸能ジャーナリスト)

 そうした中、一部で近年バラエティー番組を中心に活躍しているモデルの森泉(37)や藤田ニコル(22)に関しても退社を危惧する声がある一方、同社の躍進の最大の功労者ともいえる後藤が一生オスカーに所属することを宣言したといった報道もあるが……。

「同社の今後のカギを握るのは上戸彩さんと武井咲さんの動向でしょう。2人とも売れっ子タレントであることはもちろん、ともに『LDH JAPAN』所属のアーティストのHIROさんとTAKAHIROさんと結婚しているのも気になるところです。とくにHIROさんはLDHの会長という立場もあって、2社は近年ビジネス面においても良好な関係を築いています。オスカーが今以上に窮地に陥った場合、HIROさんが何らかの形で手を差し伸べたり、さらなる両社の関係性強化を図る可能性も否定はできませんね」(前出の民放情報番組スタッフ)

 会社設立以来、最大の窮地かもしれない“美の総合商社”だが、今後の巻き返しはあるか。(伊藤茂)