お笑いコンビ・アンジャッシュの児嶋一哉(48)の勢いが止まらない。最近、バラエティ番組でよく姿を目にするのはもちろん、9月に終了し、大ヒットを記録したドラマ「半沢直樹」(TBS系)にも第5話から出演。国土交通大臣(江口のりこ)の秘書役を演じ、視聴者からは「想像以上にいい演技」「もっと演技が見たい」と、好評の声が集まっていた。



 名前を間違えられ「児嶋だよ!」とキレながら返す芸風が定着している児嶋。コンビとしては、相方の渡部建(48)のほうが売れているという印象も強かったが、6月に渡部の“多目的トイレ不倫”が発覚し、芸能活動を自粛。それに伴い、アンジャッシュのもう片方の児嶋の存在がクローズアップされ、バラエティ番組では相方の不倫について共演者からイジられるというネタを確立した。同時にドラマ「半沢直樹」への出演も重なり、自身の公式YouTubeチャンネル「児嶋だよ!」の登録者数は(13日現在)67万人を突破する勢いだ。”半沢バブル”真っただ中のように思えるが、「渡部の不倫騒動の前から好感度が高い芸人だった」と明かすのは民放バラエティ制作スタッフだ。

「過去におぎやはぎの小木さんが自身のラジオで話していましたが、渡部さんの披露宴で児嶋が大号泣していたとか。スピーチで『渡部〜』と発すると、それからは声が出ないほど号泣していたそうです。このエピソードに当時、SNS上では、『こっちまで幸せな気持ちになれる』『優しいし、人間味ある』と児嶋の人柄をたたえる声が多かったですね。また、コンビでトーク番組に出演した際、渡部の良いところを聞かれた児嶋は、『渡部って見た目がかっこ良くないですか?』と返答。渡部は爆笑していましたが、ネット上では『大嶋(児嶋)の方がかっこいいよ!』『そんな発言も引っくるめて好き』と、これも好感の声が目立っていましたね」

 そんな実直な性格は、渡部の不倫騒動以前から視聴者に伝わっていたのだろう。以前、「王様のブランチ」(TBS系)では、夏休みの渡部に代わって児嶋がMCを務めたのだが、緊張し過ぎて遅刻しそうになったものの、穏やかな雰囲気で長時間の生放送を無事に完走。ぎこちなくも実直な姿勢に「嫌味がない」「出過ぎず、空気にもなり過ぎないので良かった」とSNSで称賛されていた(2017年10月21日放送)。

「前向きな自虐ネタというキャラも好感のようです。以前、映画の舞台挨拶でジャニーズ事務所に送ったという中学3年生の頃の写真を披露した際、渡部が写真を見て『ニュースで見る行方不明の人?』と突っ込んだのです。すると児嶋は『俺の中でいちばん良い写真』と真面目に答え、ジャニーズ事務所からの返事について『いつでも待っています』と笑いを誘っていました。今までは渡部の売れっ子ぶりが先行し影が薄くなりがちでしたが、元々ファンは多かった。お笑い芸人にも誠実さが求められる昨今において、渡部の不倫騒動がなかったとしても、いつかは人気者になっていたと思います」(前出の制作スタッフ)

■ソロライブやR−1にピンで出演

 お笑い評論家のラリー遠田氏は、お笑い界での児嶋のオリジナリティについてこう述べる。

「アンジャッシュの2人を比較すると、渡部さんの方が知的でしっかりしているイメージがあるため、ネタ作りも渡部さんが担当していると思われがちです。しかし、本人たちの話によると、実際には2人で協力してネタ作りをしているそうです。児嶋さんは過去にソロライブを開いたり、ピン芸人の大会『R−1ぐらんぷり』に挑戦したりして、ピン芸を披露していたこともありました。そのときのネタは自分で作っていたと考えられます。アンジャッシュは何よりもネタの面白さに定評があったコンビなので、児嶋さんがそこで一定の役割を果たしていたのは間違いない。また、児嶋さんは『イジられキャラ』としても貴重な存在です。芸人たちにきつくイジられても、声を張って力強いツッコミで返すのが面白い。先輩にイジられるタイプの芸人はたくさんいますが、児嶋さんの場合、後輩でも思わずイジりたくなるような魅力があります。この『後輩にもイジられる』という分野では彼の右に出る者はいないでしょう」

 お笑いと並行して、役者業も増えている児嶋。役者としてコツコツやってきたところも好印象に繋がっているようだ。

「渡部さんがよく、児嶋さんのことを『間違えられて突っ込むという芸風だけで家を建てた芸人』と評していましたが、ファンからは『それだけじゃない。俳優として前から頑張ってるから』『味のある演技をしている』と、役者としての児嶋を評価する声が多くあがっているのです」(テレビ情報誌の編集者)

 まだまだ快進撃が続きそうな児嶋。視聴者を嫌な気持ちにさせないという意味では、今の時代にピッタリとハマっているようだ。「好きな芸人ランキング」の常連になる日は近いかもしれない。(丸山ひろし)