安田大サーカスのクロちゃんが、気になるトピックについて“真実”のみを語る連載「死ぬ前に話しておきたい恋の話」。今回のテーマは「散歩」。仕事、プライベート関係なく、時間がある時は、電車やタクシーなどは使わず、なるべく歩いているというクロちゃん。多い時では1日数十キロにもなるという。主には健康のために歩いているようだが、散歩には、クロちゃんなりの独特の楽しみ方と「哲学」があるようだ。



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 ボクは、歩くことが大好き。

 プライベートもそうだけど、仕事がある時も10キロくらいの道のりであれば、家から現場まで歩いて向かうことも多いんだ。

 平均すると、だいたい1日10キロ以上は歩いている。歩数にすると、1日1万5千歩以上。月にすると45万歩以上かな。多い時では1日20キロ以上歩くことだってある。SNSでは「どうせ嘘だろ」とかって言われることもあるけど、本当だからね!

 元々昔から歩くことは好きだったんだけど、本格的に歩き始めたのは「名医のTHE太鼓判!」(TBS系)の企画で「教育入院」したのがきっかけ。先生に「このままでは死んじゃう」って言われちゃったからね。食後に歩くのは、血糖値を下げるのに効果的みたいだったから、退院直後は、毎日2〜3万歩は歩いていたよ。

 ただ、その時、先生に「クロちゃん歩きすぎ、逆に身体に悪いよ」ってダメ出しされちゃったの。

「せっかく頑張って歩いているのに、なんでやる気をそぐようことを言うんだろ?」って、なんだかボクは悔しくて、少し腹が立っちゃったのを覚えてる。

 後日、意地になって4万歩以上も歩いちゃった。

 距離にすると30キロ以上。これだけ歩くと、疲れてしまって、歩きながらうたた寝もできちゃう。結局、足を痛めちゃったし。やっぱり無理をいけないなって思ったよ。

 歩くのは健康のためっていう理由はもちろん大きいけど、単純に歩いていると、隠れた裏道があったり、面白い公園や神社があったり、たまに芸能人とばったり会っちゃったり、とにかく意外な発見がたくさんあって楽しいんだ。

 公園の遊具とかって、けっこう可愛いデザインのものが多いんだよね。ボクは自撮りが好きだから、歩きながら、可愛い遊具やオブジェ、置き物なんかを見つけると、よく一緒に写真を撮ったりもするんだ。

 その中でも、特に大好きなのが、薬局の前に置かれているケロちゃんやサトコちゃん。見つけるとすごいテンションが上がるんだ。

 なんかボクに対して「頑張れ」って手をふってくれている気がして、歩くのをすごく頑張れる。仕事帰りとかで会うと「まだ遅くまでいるんだね。早く家に帰りなよ。俺も帰るから」って必ず話しかけるんだけど、それがボクの密かな楽しみ。

 ケロちゃんやサトコちゃんのいる薬局はだいたい把握しているから、「あれ、この辺り、たしかサトコちゃんがいたな」って思うと、進路を変えて会いにいったりすることもある。

 いつもいるはずのサトコちゃんが急にいなくなった時は、心配になって薬局の店員さんに「サトコちゃん、どうしたんですか?」って聞いたこともある。どうやら酔っ払いに壊されちゃったみたいなんだよね。その薬局には、もうサトコちゃんはいないから、前を通るたびに、なんだか寂しい気持ちになったりもしているよ。

 ボクが特に好きな散歩コースは、レインボーブリッジ。レインボーブリッジって、歩いて渡れるって知ってた? お台場を正面にして歩いていると、右側には東京湾、左側には新橋方面が見えて、右と左で全然違う夜景が楽しめるし、めちゃくちゃキレイだから、デートにもオススメ。

 レインボーブリッジをお台場側に渡った先に公園があるんだけど、毎年春になると、そこで桜を見るのも楽しみの一つ。「あれは桜かな?梅かな?」とかって、考えながら歩いていると、なんだか幸せな気持ちになれるんだよね。

 歩くことって、ポジティブになれると思うんだ。

 ボクは、周りから「バッシングにも動じないアイアンハートだ」とか「心が強すぎる」とかってよく言われるんだけど、それって、きっと歩くことによって、自然と色んなことを考えていて、嫌なこと言われても、いつの間にかポジティブな方向に整理ができちゃってるんだろうなって思う。

 家にただじっとして、悶々と考えていても、物事は良い方向に考えられないからね。

 自分にとってマイナスなことがあったり、もうちょっと深堀りして考えなきゃいけないことが出てきた時こそ、ボクはなるべく歩くことにしている。

 ボクがアドバイザーをしているアイドルグループ「豆柴の大群」の楽曲の歌詞だって、歩きながら思いついたフレーズはたくさんある。クリエイティブな発想にだって絶対良い影響があるはず。

 だから、煮詰まっている人こそ、たまには歩いて気分をリフレッシュしてほしいな。

 あと、もし夜に歩くなら注意点を一つ。

 スマホのアプリで目的地までの道のりを「最短距離」で検索したりすると、道中に突然墓地が出てきちゃったりして怖い思いをすることあるから気をつけて。ボクは仕事帰りに、青山霊園のど真ん中を通らされたこともあるから。

 夜中だとほんとうに怖いんだ。

 アプリに「高速道路あり、なし」の設定だけじゃなくて、「墓地あり、なし」の設定も加えてほしい……。

(構成/AERA dot.編集部・岡本直也)