お笑いコンビ・アンガールズの田中卓志(44)が11月19日に放送された「夜の巷を徘徊しない」(テレビ朝日系)に出演した際のエピソードが話題を呼んだ。広島大学工学部で建築を専攻していた田中は、MCのマツコ・デラックスや専門家と好きな建築物についてトークを繰り広げたが、そんな中、「旭化成ホームズ、本当は行く予定だったんですよ」と告白したからだ。就職先として教授に推薦してもらう予定だったが、お笑いをやりたかったため芸人の道を選択したという。



 田中といえば、キモキャラやイジられキャラとして定着する一方、情報番組「バイキングMORE」(フジテレビ系)でコメンテーターを務めたり、バラエティ番組で的確に笑いを分析したりと、その賢さもお茶の間に浸透している。「実は高身長高学歴高収入」とスペックが注目されることもあり、好感度は高い。前述の就職先についてもSNS上では、「出世しそう」「芸能界でなきゃ成功できないタイプではない」と、知的な側面からか”仕事ができそう”なところに言及する声が目立っていた。

「確かに知性的な面もありますが、その中に思いやりが見え隠れするところも好感につながっていると思います。例えば、昨年放送された女芸人ナンバーワンを決める「THE W」(日本テレビ系)で審査員を務めた際には、『笑いの起き方が珍しい』など、良いところをほめることにしていたと話していました。良かった部分を自分が言うことで、その芸人の将来の仕事につながってほしいと思っていたそうです。また、『クイズ番組がやりづらい』とインタビューで話していたこともありましたね。というのも、国立大学出身ゆえ呼ばれることがあるそうなのですが、クイズ番組は『答えてナンボ』の世界。1問も答えられない時はギャラ泥棒のような気分になり、帰りにスタッフと目を合わせられないのだとか」(テレビ情報誌の編集者)

 さらに、バラドルや後輩芸人へのアドバイスからも優しさがうかがえる。「ゴッドタン」(テレビ東京系、6月6日放送)では、全力のリアクションで知られる元AKB48のタレント・西野未姫の悩みを分析。「やりすぎキャラを変えたいが、道のりの険しさに気付き始めた」と指摘すると、西野は「最近気付いたことなんです」と同調。これに田中はトーク力を磨くことを提案し、「MCの人がいちばんオチを探してくれてる」「MCとの3回のラリーでオチを見つける余裕を持とう」と、具体的なアドバイスを送っていた。

「9月に放送された同番組では阿佐ケ谷姉妹に対し、レギュラーが増えたことでスタッフからよりシビアな目で評価されると指摘。一方、芸能界は終わりがないマラソンで、ガツガツしてない阿佐ケ谷姉妹はマラソンに向いている。また、オバサンのキャラはお茶の間とフィットするため、芸人の実力を持ったオバサンはずっとテレビに出られると分析し、『将来的に朝の帯番組、見えますよ』と、お墨付きを与えていました」(同)

■バラエティ番組でブチ切れした弁当事件

 後輩や他者への思いやりが深い田中だが、過去にはバラエティ番組で実の母親に対する扱いに対してブチ切れたこともある。いわゆる“弁当事件”だ。

「約10年前に放送されたあるバラエティ番組で『母親が作ったお弁当で誰のものが一番いいか』という企画があり、田中母の弁当に対して、審査する女性タレントから『愛情が足りない』『美味しくなさそう』と手厳しいツッコミが入ったんです。番組で共演していた田中さんの母親は落ち込んで泣いてしまったのですが、これに田中さんは『お母さんは看護師やってて不規則なシフトで疲れてるから、冷凍食品も入るんだよ!』とブチ切れ、『母ちゃん美味いぞ』と言いながら弁当を食べたのです。放送当時は“田中のキレ芸”として処理されていましたが、今の時代から見ると田中さんの行動はとても真っ当で共感を得る人は多いと思います」(放送作家)

 相手の気持ちに寄り添うことができる性格を持ち、論理的な思考力もある。そんな人間だからこそ、視聴者からは「本当に頭がいい人」に見えるのかもしれない。お笑い評論家のラリー遠田氏は田中についてこう分析する。

「アンガールズは、デビューまもなくユルユルな雰囲気の『脱力系コント』で注目を集めました。2人そろって極端なガリガリ体型という見た目のインパクトも強かったため、キャラクター先行の芸人だと思われがちですが、もともとネタの面白さは業界内で高く評価されてきました。かつて、東京の若手芸人の登竜門と言われていた『お笑いホープ大賞』でも優勝しており、2017年には『キングオブコント』でも決勝進出を果たしました。田中さんがネタ番組の審査員や解説役としても重宝されているのは、ネタを作る能力が高く、芸人としての基礎体力がしっかりしているからでしょう」

 お笑いに関して幅広い力を持つ田中だが、周りからの信頼も厚いだろう。様々なジャンルで活躍を続ける息の長い芸人になりそうだ。(丸山ひろし)