2020年の紅白で初のテレビパフォーマンスを披露するなど、若い層を中心に人気を集めている音楽ユニット、YOASOBIがAERAに登場。「初めてのことばかりだった」と飛躍の年を振り返った。AERA 2021年2月8日号から。

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 昨年末のNHK紅白歌合戦に初出場を果たした、「小説を音楽にするユニット」だ。数万冊の本を背景にデビュー曲「夜に駆ける」を歌った姿に目を奪われた人も多いのではないだろうか?

 本誌の表紙撮影は紅白の数日後に行われ、コンポーザーのAyaseとボーカリストのikuraの表情には、大舞台を経験した直後の充実感が見て取れた。

「めちゃくちゃ緊張していたので、終わった瞬間は安堵で膝から崩れ落ちました。今はホッとしている感じです」(Ayase)

「プレッシャーで泣きそうになっていたんですが、始まる直前になぜかスッと冷静になれた。ゾーンに入ったような感覚があって、みなさんのおかげで無敵な状態で歌えました」(ikura)

 結成は2019年10月。もともとは小説投稿サイト「monogatary.com」のプロジェクトとして始まった。「夜に駆ける」はコンテストの受賞作「タナトスの誘惑」を元に作った楽曲だ。「小説を音楽にする」というのは未知の経験だった。

「主題歌やテーマソングを作るのとは違って、小説の物語を音楽という別の表現方法で再構築する。小説と音楽を行き来してほしいという狙いもあるので、一つの物語を小説と音楽という別の角度から見ることで立体的になるような絶妙なバランスを考えています。めちゃめちゃ難しいです」(Ayase)

「どういう発声をすればその言葉を一番伝えたい形で引き立たせられるのかを意識しています」(ikura)

 大ヒットで環境は一変、CMやアニメ主題歌など多くのオファーが舞い込んだ。

「すごく成長した実感があります。10歳くらい老けた気がする(笑)」(Ayase)

「最初に参加した頃の気持ちと今は違う。20歳になったのもあって、一気に大人の階段を上り始めた感じです」(ikura)

 2021年も飛躍の一年になりそうだ。(ライター・柴那典)

※AERA 2021年2月8日号