お笑い芸人カンニング竹山さんは、ある番組の出演で気がついた――“なぜ若い子に合わせなければならないのか?” 若者の流行りや文化に寄り添っている世の中に、オジサン、オバサン寄りじゃダメなのかと疑問を抱く。 

*  *  *
 この間、「ノンストップ!」という番組で、“絵文字でコレを使っていると若い子にバカにされる”というテーマを取り上げました。赤い「!!」(ビックリマーク)とか、すごくダサいらしいんですよ(笑)。それを使っているとオジサン、オバサンってすぐにバレるって。そういう言葉などの全般の若者の文化ってあるじゃないですか。

 放送が終わってみて、ものすごく面白かったし、学びにもなったんだけど、ふと考えてみると、なぜ若い子に合わせなければならないの? って思ったんですよ。

“若い子=新しいモノ”ってなっているけど、日本の人口分布を考えると、大多数は若者とは逆だろ? だったら若い子が合わせりゃいいんじゃないか?(笑)テレビもオジサン、オバサンが見ているんだから、そっち寄りにしちゃえば? って思ったんですよね。

“これが若者の文化だ”“若者の言葉、わかりますか?”とかやっているけど、よくよく考えると、そういう企画が成り立つのも大人の余裕だと思うんですよね。大人が若者を例に出して、ただ遊んでいる感じ。どっかで、“ガキだな”って思っているだけ。

 若者の文化や若者で流行っているものとか、別に若者の全てが新しいわけではないから。そういうことを屁理屈のように考えてしまったんですよね。別にどんな絵文字を使おうが関係ねぇーし(笑)。

 若者の文化を我々やその上の世代が知ったところで、そんなに流行らないじゃないですか。だから、人口分布では若者の方が少ないわけだから、僕より上の世代で流行っているものをカッコよく見せるのもアリなんじゃないかな。例えば、ひと昔前ってオジサン、オバサンになったら演歌バリバリ聴くって思っていたんですけど(笑)、現実どうかっていったら、そんなに聴かないですよね。

 昔はオジサンになったら、そうなっていくと思っていたんですよ。いやいや、ちょっと待て、大人になったらカネの余裕も出てくるし、人生経験も豊富になるし、若い頃できなかったことができるし。キャンプに行くなんてまさにそうで、若い頃なんか車もないし、お金もないしという感じだったけど、だんだんこの歳になるとキャンプにいつでも行こうと思えば、行かれる。

 今はコロナ禍で遠出できないけど、旅行だってある程度の年齢になると思い立ったらどこでも行かれるわけじゃないですか。近所に飲みに行くっていう時も、若い頃よりはいい店に行かれますよね。高級な店じゃなくても近所の小さな焼鳥屋さんとかね。寿司屋もそう。

 もっともっと、若者じゃなくてこっち側のモノを作っていったほうがいいと思うんですよね。“若者は今コレをやっている!”っていうことに対して“そんなのガキだなっ”とか“昔、みんなそんなことやってたよっ”とか言い切ってしまう番組やメディアがあってもいいんだと思う。

 若いタレントさんにオジサンやオバサンに向かって“ダサいー!”とか言わせる番組でも、大人はそれに耐えられるというか、いじめの構図にならないのは、大人の余裕と“ダサい”とか言っているタレントをどこかでバカにしているから。

 人気のTicTokerが番組に出てきたとしても、“すごいね!”とオジサンやオバサンは言うけど心の中で“アンタ今はいいけど10年後どうすんのよ”って思える心の余裕と経験値がある。もっと、そういう事を言ってもいいのかなと思った。

 だから、大人中心のテレビ番組がもっとあってもいいと思う。その方がモノもバンバン売れるわけだし。

 昔は確かに歳を取るとオジサン、オバサンはダサかったかもしれない。子どもが着古したジャージをいつも着ているオバサンとかね(笑)。ジャージを着ているお母さんはいるかもしれないけど、今ダサいオジサン、オバサンってそんなにいないじゃないですか。年配になってくると、経験値という力がついてくるんですよね。パワーアップしてくるから、人生はその時の方がカッコよく、楽しく生きられると思う。

 だから、若者の文化を学ぼうとかいらねぇんじゃないか? 結局、10年たてば今の若者も俺たちと同じになっていくわけですよね。その繰り返しじゃないですか。テレビ番組を若者にシフトしていくことは将来を見据えたようにみえるけど、若者もオジサン、オバサンになっていくわけだからその繰り返しですよね。大人は若者を小バカにしているわけだから、“なんだ、このテレビって?”って、いよいよ引き返せなくなりますよね。

 若者ターゲットっていうのは全部やらないほうがいいと思うんですよね。世の中って全てがそうなんですけど、オジサン、オバサンが作っているんですよ。若者の文化もね。例えば、“つけまつげ”のターゲットは10代や20代だけど、それを仕掛けたり、工場の手配をしたり、海外進出を考えたり、ビジネスを動かしているのはオジサン、オバサン。

 今のオジサン、オバサンはそんなにダサくないし、オジサン、オバサンを中心にもっと色々なモノを作っていった方がいいんじゃないか? そのほうがもっと儲かる。未来のために実はそのほうがいいんじゃないか?

■カンニング竹山/1971年、福岡県生まれ。お笑い芸人。2004年にお笑いコンビ「カンニング」として初めて全国放送のお笑い番組に出演。「キレ芸」でブレイクし、その後は役者としても活躍。現在は全国放送のワイドショーでも週3本のレギュラーを持つ。オンラインサロン「竹山報道局」は、ネットでCAMPFIRE を検索→CAMPFIREページ内でカンニング竹山を検索→カンニング竹山オンラインサロン限定番組竹山報道局から会員登録