独身生活を謳歌し、結婚に縁遠いように見えた芸人、有吉弘行が結婚した。晩婚化が進み、40代で結婚する人も増えている。大人婚に踏み切る理由は? AERA 2021年4月19日号から。



*  *  *
「柄にも無いことで」という書き出しで始まる有吉弘行(46)の結婚報告。4月2日、スマホに突然流れてきた結婚のニュースに、日本中が沸き立った。

 日本の生涯未婚率は、調査がある最新の2015年で、男性23.4%、女性14.1%だ。実に男性の約4人に1人、女性の約7人に1人が生涯未婚という独身大国ニッポン。なかでも、「仕事もノッていてお金に不自由なく、自由を謳歌している」ように見える有吉タイプは、結婚に最も縁遠いように思えた。

 それがなぜ、結婚に至ったのだろうか?

■独身時代より自由に

 出版社勤務の女性は自身が43歳、夫が52歳のときにお互い初婚で結婚した。独身時代は好きなだけ仕事も遊びもできて、帰宅時間も就寝時間も自由。それはそれで楽しかったが、生涯一人で生きていく人生は想像ができなかったという。

「生活の細かいことを物理的にも気持ち的にもシェアできるので、自分の仕事や趣味に、むしろ集中できるようになりました。自分が背負うものも半分になった感じで、独身時代よりも気持ちが自由になりました」

 独身時代の人生を一人で背負っている感覚は、自分を縛った。結婚でラクになったと感じる。

 美容業界で働く女性は53歳で結婚。婚活に集中するため、長く勤めてきた会社をやめた。そこまでしたのは「定年」が見えたからでもある。

「人生100年時代。定年後はどうするのだろう……と思うと、結婚してみてもいいんじゃないかと思い始めました」

 婚活を始めて2カ月で出会い、半年後には結婚。一緒に暮らしてみると、「えっ」と思うこともあるが、考え方の幅が広がった。年を重ねたからこそ、自分以外の意見も穏やかに受け入れ、柔軟に対応できる。

『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』の著者で、これまで200人以上の“晩婚さん”にインタビューをしてきた大宮冬洋さんは「大人婚」の特徴をこう話す。

「自分を変えなくていい相手を選ぶことができるし、相手を無理に変えようとも思わなくなるので、いい結婚ができる」

■「何で?」が面倒に

 一般的に、仕事に邁進し成功をつかんできた人は、自分にも他人にも厳しくなるタイプが多い。だが、年齢を重ねることで違いを受け入れられる。

「独身も十分楽しんで、人生後半は結婚生活も楽しめる。晩婚あるあるです。何より、独り身を案じていた周囲が喜んでくれる。今回の報道でもその祝福ぶりがわかります」(大宮さん)

 周囲との関係で結婚を決断するのも晩婚にはありがちだ。会社を経営している男性は、42歳で結婚。40歳を過ぎて一度も結婚をしていないのは、経営者の先輩たちから軽くみられると感じた。「何で結婚しないの?」と聞かれ続けることも面倒になったのだという。

 出会ったその日に結婚を決めた夫婦もいる。妻は言う。

「共通の知り合いに紹介され、食事をして2時間くらいした頃に『お付き合いしてほしい』と言われてお断りしました(笑)。でも2次会のお店で『じゃあ結婚しませんか』と言われ、決心しました」

 付き合いや駆け引きではなく、ストレートに「結婚」にたどり着くのも40代婚だ。

 さらに今は、結婚を後押しする要因もある。結婚情報サービス「オーネット」の調査によると、コロナ禍において「結婚に対する意識が高まった」という人は約40%に上った。有吉婚とコロナ禍の関係は未知数だが、世界中を巻き込む「前例なき不安」は、結婚の後押し要因になっているようだ。(ライター・島田ゆかり)

※AERA 2021年4月19日号