16年ぶりの続編ということで話題になっている阿部寛主演ドラマ「ドラゴン桜」(TBS系)。阿部扮する弁護士・桜木建二がいろんな事情を抱えた生徒たちと東大合格を目指していく内容だが、生徒役のひとりに、かつてトヨタ自動車のCMで“こども店長”として、大ブレークを果たした加藤清史郎(19)が名を連ねている。



 本作で加藤は、優秀な弟と常に比較され続けてきたため、劣等感がしみついた生徒役として出演。制作発表会で加藤は、「出演させていただくというのが、本当に僕にとっても大きなこと」「緊張感と戦って、この作品と天野と向き合っていきたいと思います」と意気込んだ。

「現在、大学2年生の加藤さんですが、高校三年間はイギリスに留学していました。中学生になって声変わりが始まり、顔つきや体形も変わっていくので、役者としても中途半端な時期だと感じたそうで、この期間に知識や経験を蓄えておこうと留学を決意したそうです。また、中学生時代に役者を続けるか、野球選手になるか迷っていたことがあったそうなのですが、歌舞伎俳優の市川海老蔵さんに、13年間も役者を続けたのにそのキャリアを捨てるのか、と諭されたそうです。この一言で役者として生きていく覚悟を決めたというエピソードは有名です。幼少の頃から芸の道を歩んできた海老蔵さんのひと言が彼に刺さったんでしょう」(テレビ情報誌の編集者)

 俳優と大学生の二足のわらじを履きながら、昨年は「#ハンド全力」で7年ぶりの映画主演を飾った加藤。4月末に公開予定の「劇場版 ポリス×戦士 ラブパトリーナ!」では、世界を股にかけた事件を扱うインターポールの愛川警部役を演じるなど、着実に役の幅を広げ、うまく子役からの脱却を遂げている。バラエティーでも独特の存在感を発揮しており、活躍の場も広がっているようだ。

 一方、「ほかの元子役の俳優の活躍も目覚ましい」と語るのは、女性週刊誌の芸能担当記者だ。

「漫才コンビ『まえだまえだ』の弟・前田旺志郎さん(20)や大河ドラマ『龍馬伝』(NHK・2010年)で主人公の幼少時代を演じ話題となった濱田龍臣さん(20)も子役から俳優へと上手にシフトできた成功例と言えると思います」

■オーディションに落ち続けた濱田龍臣

 前田は現在放映中のNHK連続テレビ小説「おちょやん」に、主人公の家に身を寄せる少年役で出演。天真爛漫に見えながらどこか陰のある難しい役どころを好演している。ドラマ「MIU404」(TBS系・2020年)の第3話にゲスト出演した際は、いたずら心で犯罪に手を染めてしまう高校生を熱演。ゲスト出演ながら鮮烈な印象を残し、SNS上でも「前田旺志郎くん演技素敵だった!」「立派な役者に成長してる〜」と絶賛の声が多くあがっていた。その演技は業界内でも折り紙付きで、映画は今年だけで「キネマの神様」、「うみべの女の子」(8月公開予定)、「彼女の好きなものは」(秋公開予定)と3本も出演している。

 また、濱田も現在公開中の『ブレイブ −群青戦記−』や7月公開の『ハニーレモンソーダ』と今年は2本の映画に主要キャストに名を連ねている。

「3人に共通して言えることは、少年から青年への移行期にほどよい充電期間や仕事のセーブ時期があったこと。これが子役のイメージを払拭させるのにとても大切な時間になっているようです。濱田さんは中学のときにオーディションに落ち続け、俳優をやめようと思ったこともあるとインタビューで明かしていましたが、それが逆によかったのかもしれません」(前出の記者)

 ドラマウオッチャーの中村裕一氏は、元子役俳優についてこう分析する。

「ふた昔くらい前だと、子役は子供の頃がピークで、その後あまり大成しないようなイメージがありましたが、それも過去の話。柳楽優弥や神木隆之介のように、子役出身ながら上手に年齢とキャリアを重ね、しっかり独自のポジションを確立している俳優もいます。早く世に出たことによる戸惑いや、いつまでも子供扱いされることへの反発、俳優としての伸び悩みなどの壁もあると思いますが、昨今の元子役俳優は見事にそれを乗り越えた感じがありますね」

 年齢とさほど変わらない芸歴を誇り、20歳前後でも、経験は十分の3人。深みと幅のある演技力を携えた彼らの快進撃はまだまだ続きそうだ。(高梨歩)