テレビプロデューサーでタレントのテリー伊藤氏が16日放送のTBS系情報ワイドショー番組「サンデージャポン」に出演し、東京五輪開催の是非を巡って語った内容に、医療従事者から反論の声が挙がっている。



 テリー伊藤氏は東京五輪開催を支持する立場を取っている。コロナの感染拡大を防ぐための案として、「国民と五輪の距離を離せばいいと思う」と提案。「別に(五輪に)ウイルスが来るわけでもなんでもない。テレビを見ている分には安心だから。感覚で言うとカプセル風呂の中で五輪がやっていて、国民が外でそれを見ている感覚でいればいい。五輪がダメとかではない。国民はもっと賢いと思う」と力説した。五輪を現地で応援せずにテレビ観戦で応援すれば感染拡大のリスクは防げるという考えで、「テレビで五輪を応援しようぐらいのノリで十分いいと思う。のめり込んでいって選手村に僕らが入り込むわけではないから」と続けた。

 この考え方に、都内の病院で勤務する医療従事者は異論を唱える。

「テリーさんの意見はあまりにも楽観的です。徹底した水際対策をしているにもかかわらず、英国型やインド型の変異ウイルスでコロナ感染が拡大している。人が動くことでウイルスは入ってくるのです。五輪が開催されれば各国の選手、コーチ陣、スタッフだけで8万人以上が来日する。大会スタッフやボランティアも携わるので感染拡大のリスクを十分にはらんでいます」

 SNSやネット上でも、「札幌のテスト大会、国立競技場でテスト大会、どちらも陽性者が出ています。あの人数で陽性者がでるのに何万人も来日して感染者が出たらどうなるか、想像できないのでしょうか。思慮も想像力も欠如した余りに無責任発言です。医療従事者の立場ですが悲しくなります」、「テリーさんは、稀に『ん?』って言うコメントされますが、今回もそう感じます。海外からウイルスが来る訳じゃ無いとは詭弁では?国の内外に関係無く、人が大規模に動く限り観察リスクは上がります。その上、選手、関係者はワクチン対応らしいが、日本人のほとんどが未接種の状態で受け入れる訳で、接種しても重症化しないだけで感染はあり得る。なれば、特別扱いされた人達の犠牲者は一般国民となります。完全隔離は物理的に困難だと思う。増してや、五輪対応で医療機関が少なからず手を取られる訳で、ここも一般国民の犠牲で成り立つ事になる。平和で国や世界が健康な環境で、心置きなく競技、それを応援し、皆が幸せにならない五輪は、何処を切り取っても今の日本で開催すべきでは無いと思います」など、五輪開催でコロナの感染拡大を懸念する意見が目立つ。

 前出の医療従事者は東京五輪で感染拡大がさらに広がった場合は、「医療現場が崩壊する危険性がある」と警鐘を鳴らす。

「コロナの収束が先の見えない状況で医療現場は疲弊しています。菅首相は東京五輪開催を『人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証』と説明していましたが、一度現場に見に来てほしい。医師も看護師も心身共に限界の中で働いている。コロナに押しつぶされそうになっているのが現実です」。

 語気には怒りをはらんでいた。東京五輪開催に向けて色々な意見がある。政府は現場で奮闘する医療従事者の声にも耳を傾けなければいけない。(梅宮昌宗)