俳優で歌手の木村拓哉さんがAERAに登場。映画「マスカレード・ナイト」の公開を控え、木村さんが語った。AERA 2021年9月20日号から。

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 控え室から現れた木村拓哉は、リラックスした表情で、表紙フォトグラファーの蜷川実花と挨拶を交わした。

「実花ちゃんとの現場は、仕事をする被写体とフォトグラファーという関係ではあるんですが、幼なじみ的な感覚がありますね。セッションしている間も、男子と女子に戻れる不思議な関係。いつ会ってもお互いにドキドキできるというか」

 シャッターが切られるたびに、魅力の一つ、力強いまなざしでレンズを見据えながら、ポーズと表情を鮮やかに変えていく。スタジオを包む熱量が心地よく上がっていくのがわかる。

 一挙手一投足が注目される「国民的スター」と呼ばれ、どんな仕事にも全力投球する。大切にしているのは、作品を作り上げるチームの一員としての立ち位置だ。ソロになり、初めてのライブツアーとなった「TAKUYA KIMURA Live Tour 2020 Go with the Flow」も、「支えてくれるスタッフやダンサーのみんなに背中を押してもらえたから舞台に出られた。ステージに立ってからは、オーディエンスに引っ張ってもらって。本当にみんなとの共作物だった」と語る。

 9月17日公開の主演映画「マスカレード・ナイト」は、大ヒットした第1作の続編。原作者の東野圭吾が木村をイメージして書いたという刑事・新田浩介を演じる。

 テレビドラマ「教場」で視聴者を驚かせた、生徒を震え上がらせる白髪で義眼の冷徹な鬼教官役であっても、「HERO」の型破りな検察官であっても、彼が演じる人物は、いつも私たちに人を信じる力を蘇らせてくれる。その絶対的な信頼感。「マスカレード・ナイト」の新田も、観客たちの胸をときめかせ、勇気づけてくれるはずだ。(ライター・角田奈穂子)

※AERA 2021年9月20日号