9月22日、アルバム「THE PUFFY」をリリースしたPUFFY。一世を風靡した「アジアの純真」の衝撃から25年を経ても、二人のスタンスは変わらない。AERA 2021年10月11日号から。

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——デビュー25周年のタイミングでリリースした「THE PUFFY」は、幅広い楽曲を発表してきたPUFFYならではのバラエティー豊かなアルバムだ。

大貫:私たちは、PUFFYってずっと色が付いていない状態だと思ってるんです。だから、いろいろな方に対して「ぜひ染めてください」というスタンスでやってきたと思ってます。染まる楽しさもありますしね。

吉村:だから、今回のアルバムも、「これが25年間の集大成です」という方向性ではなくて、「今現在の自分たちってこれですよ」というのを見てもらいたかったんです。これまでのアルバムと同じで、その時々に自分たちがやりたいものを、やりたい人と一緒にやったらこうなりました。今回はいつにも増してバラバラだなあって思いましたね。長い時間にわたってレコーディングしていた、というのもあるんですけど。本当に後先考えずにやりたいことをやっていって、制作の最後の方で、できた曲を全部聴いて、「こういう曲が足りない」と思って、いつもライブギターを弾いてくれてる新井(弘毅)くんに作ってもらったのが、「陽の当たる丘」。「歌詞も私たちが書くものとは方向性を変えたいよね」「ミュージシャンじゃない人が書く方がいいんじゃないかな」という話になって、バカリズムさんに作詞をお願いしました。

■毎日笑っていました

大貫:バカリズムさんが快諾してくれたので、感謝してたら、物件についての歌詞があがってきまして。バカリズムさんに聞いてみると「ちょうどシャワーの水圧が気になってたんで」って言っていて、そこからきたのか、ってなりました(笑)。

——「エッサフォッサ」は、事務所の大先輩で、デビュー時のプロデューサーである奥田民生擁するユニコーンと初めて一緒にレコーディングした。

大貫:ものすごく楽しかったですね。デビュー当初、民生さんとレコーディングした時も毎日笑っていました。合宿した時は夜は一緒に「ボンバーマン」やったりして、当時のことを久しぶりに思い出しました。「こんなにふざけてる大人いる?」って思いながら。由美ちゃんがよく「ユニコーンに入りたい」と言ってたんですけど、今回一緒にやってみて、「あそこには入れない」って思いました(笑)。

吉村:メンバーみんな人としてのハードルが高すぎるんです。選ばれし人間だからユニコーンに入れたんだ、って思うぐらい。

大貫:「そんなにダジャレ言います?」っていうような世界だからね(笑)。あと、誰も他のメンバーの話を聞いていないんですよ。やたら「これ食べなよ」って食べ物をくれたり。親戚が1月2日に集まったみたいな雰囲気でした(笑)。

■「仕事」以外が楽しい

——生形真一(ELLEGARDEN/Nothing’s Carved In Stone)が作曲・編曲を手掛け、PUFFYが作詞した「Pathfinder」では、ロールモデルもなく挑戦し続けてきた道のりがストレートに綴られている。

大貫:生形くんが韓国のDAY6というバンドをプロデュースした曲がめちゃくちゃかっこよくて。「ああいう感じの曲で、かつ生形サウンドを遠慮なく出してほしい」ってお願いしました。

吉村:英語の歌詞だったら、ものすごくストレートなことを書いても恥ずかしくないんじゃないかなって。

大貫:タイミング的にも、もうこういうことを言っていいんじゃないかなと思ったところもあります。

吉村:この歌詞は結構打ち合わせしました。

大貫:あえて言ってこなかったけど、「やっぱそう思ってたよね!」みたいな。結局思っていることは同じなので、方向性が決まると、「これも書こう」「あれも書こう」って感じでどんどん書き進めていきました。

吉村:やっぱり、二人で地道にいろいろと開拓してきたなと思います。合っているか合っていないかはわからないけど、その時に興味があることを、自分たちのできる範囲でずっとやってきた。それで「Pathfinder」=開拓者、というタイトルにしました。

大貫:結構大変なこともあったんですけど、そこをあまり皆さんに意識してもらえていない気がするので、「この場を借りて言っちゃおう」みたいな(笑)。

——デビューから25年間、一度も休止せず、活動を続けてきた。

吉村:二人とも受け身だからじゃない? 私たち、周りの人の意見も結構聞くよね。気が小さいから、自分たちの意見だけで決める勇気がない。曲のタイトル決める時も「どう?」「みんながいいならそれにしよう」って感じです。

大貫:連帯責任ね(笑)。

吉村:多分みんな「曲のタイトルくらいふたりで決めろよ」と思っていると思います(笑)。だから、PUFFYは部活みたいな感じですかね。一応私たちっていう部長はいますけど。

大貫:部員の意見を聞いて「それがやりたいのか。いいぞ」みたいなね(笑)。

吉村:みんなで和気藹々とやっていきたいんですよね。アルバムができたら、「できた!」って喜びを分かち合いたい。二人でどんどん進めていったとして、それで現場に一緒にいるマネージャーさんが作品に愛情を持ってなかったらどうしようとイメージすると怖くなっちゃうし。

大貫:ときどき、確固たるリーダーがいてくれたらどんなに楽かと思うんですけど、いないのでいまだにふたりで「どうする? どうする?」「どうぞどうぞ」とやってます。誤解を恐れずに言うならば、PUFFYって仕事以外の部分がめちゃ楽しいんですよ。みんなで仕事をガッてやって、「イエーイ! 終わった!」となって、その後はわちゃわちゃ喋る、というのを目指して、仕事を頑張るという時間軸で動いています(笑)。そういう風に気軽に仕事ができるくらい、一緒にいて楽っていうことなのかなと思っています。

吉村:お互いあまり喋らない日もあるよね。

大貫:そう、由美ちゃんがドラマとか観ちゃう日もある(笑)。

吉村:そういうことも遠慮なくできるんですよね。

(構成/ライター・小松香里)

※AERA 2021年10月11日号