4年半ぶりにオリジナルアルバム「8BEAT」をリリースする。関ジャニ∞10枚目、5人体制になってから初のアルバムには、それぞれのソロ曲が収録されている。AERA 2021年11月22日号に掲載された記事を紹介する。

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——前回、AERA本誌の表紙を飾ったのは2020年のGW合併号だった。取材は3月末。ちょうど新型コロナウイルスの影響で前年から続けてきた47都道府県ツアーが志半ばで中断された直後だったが、その後、エンターテインメント界はかつて経験したことのない試練にさらされ続けた。グループとして、個人として、この1年半の間にどんなことを考えたのだろう。

丸山隆平(以下、丸山):誰もがそうだったと思いますけど、エンターテインメントに対してより必要性を感じたり、生で会うことの大切さみたいなものを実感させられた日々でしたね。なんかね、街で声をかけられたとき、今までは「丸山くん応援してます!」「ありがとう〜」みたいな感じやったのが、コロナ禍を経て、「ありがとう〜。最近どう、元気してる?」みたいに、こっちからちょっと立ち話することも増えました。大変な時代を共有している同じ人類として、「よう頑張ってるな」「お互い無理せずいこうね」と声をかけたい気持ちになるんですよ。

安田章大(以下、安田):わかる気がする。ライブは最たるものですけど、今こうやって座談でお話をさせていただいていても、互いに伝わる熱とか音とか匂いとか、いろいろなものが五感で感じられるじゃないですか。そういう生のやりとり、エネルギー交換みたいなものができなくなって、それが僕にとってすごく大切なものだったんだなぁと改めて気づかされました。

大倉忠義(以下、大倉):最初はあまりにも世の中が変わっちゃったんで、どうしていいかもわからなかったです。でもすぐにグループの会話として、その中でやれることを考えていこうというふうにスイッチできて。自然にまとまっていけるこのチームって優秀だなと思いました。

■出たとこ勝負の気持ち

横山裕(以下、横山):そういう話し合いの中でオリジナルアルバムを完成させて、21年には止まっていたライブ活動が再び動き出せるように、「Road to Re:LIVE」をテーマに掲げて、アリーナツアーをやろうと決めたんです。それを指針に進んできた感じですかね。僕自身、ネガティブになることもありましたけど、そういう時こそポジティブに前向きにならなあかんと思って。

村上信五(以下、村上):世の中どうなるかわからんけど、どうなろうともライブができるようになる日を信じて準備し続けるしかなかったですからね。そういう意味では、前より出たとこ勝負みたいな気持ちが強くなったかもしれない。

——そうして完成した新アルバム「8BEAT」は関ジャニ∞のBEAT(鼓動)を感じ、現状をBEATする(打ち破る)という意味が込められている。

丸山:毎回、アルバムというのはその時その時の自分たちのすべてを閉じ込めた作品なんです。そういう意味で今の関ジャニ∞そのものなので、たくさんの人に届いてほしいなぁと思います。今回は、一曲一曲、いつもより時間に余裕があるから丁寧に作れた。それはコロナ禍だからできたことでもあって、横山くんが言うように、悪いことばかりじゃなくて、ポジティブに捉えることもできるなと。

横山:もともとは去年出そうとしたアルバムですからね。

安田:去年だったら曲も今回のリストとは違うものになってただろうし、「今の関ジャニ∞」も違うものになったかもしれない。そう思うと巡り合わせというか、面白いですよね。

■「厳しい闘い」の最中

——「関ジャム完全燃SHOW」は楽曲制作の裏側や専門的なテクニックを深掘りする音楽バラエティー番組だが、そこで共演してきた亀田誠治、川谷絵音、岡崎体育、ヒャダインら豪華メンバーが関ジャニ∞のために楽曲を提供。彼らの新たな魅力が引き出されたアルバムとなった。

大倉:楽曲を提供してくださった方それぞれが僕らをイメージしてオリジナルで作ってくださったので、自分たちだけでは生まれなかった広がりは出たんじゃないですかね。僕たちらしさは残しつつも、新しくチャレンジするような曲も多かったです。

安田:今まで歌ったことがないようなニュアンスの曲もあって、リズムの取り方が独特だったり、声の出し方もちょっと今までと違ったりするので、僕は結構、苦労しました。

大倉:うん、難しかった。

村上:いやいや、大変やった記憶しかないです。まあ、長期にわたってバラバラ録っていたので、我々よりスタッフの方が大変やったと思いますけどね。苦労した分、こんなふうになったらええな、あんなんできたらええなとか話し合ってた理想形にはなったと思う。

横山:今の関ジャニらしい、いろいろな種類の曲が集まったからこそ、本当にアリーナライブが楽しみになりました。絶賛リハ中なんですけど、今までとは違うパターンのかっこいい曲もあるから、振付師が力を入れてきよるんですよ。僕らは今ヒーヒー言ってます。ものすごい厳しい闘いをしてます。

——ツアーの最終日には生配信が予定されている。感染の波が収まり、ライブは行えるようになったが、声を出して応援することは叶わない。そこでファンからライブの定番、エイトコールや曲に合わせた声援を事前に募集して、その生声をライブで流す企画を立ち上げた。これまでも「絆」や「繋がり」をテーマにファンから言葉を募集し、シングル曲「Re:LIVE」を共作したり、グループの公式インスタグラムを開設したり、大倉が個人としてグループ初のTwitterアカウントを開設するなど、会えない間もファンと心の距離が近づくように試行錯誤してきた。

村上:試行錯誤はしてきましたけど、こっちから「近づけました」とは言えないですよ。

安田:ファンの皆さんがそう思ってくださるんだったらうれしいですけど……。

横山:やっぱり僕ら、結局はライブができてないってことに立ち返っちゃうんですよ。関ジャニはライブをやって、そこでファンの人との近さを感じてきたグループ。アナログなんです。

■旨味どんどん出てくる

村上:それで育ってきてますから。でも、見てくれる人(ファン)もそうやと思いますよ。俺らはやっぱり生のやり取りがないとダメ。ライブを見にきてくれて、楽しい時間の共有があって満足できる。それを互いに確認に行くツアーになるんじゃないですかね。

横山:もちろん、有観客で配信ライブをやるという新しい取り組みができるようになったのはよかったと思いますけどね。いろんな事情があって会場に来られない人にも見てもらえますし。

安田:これからは、生のライブも配信もどっちも大切にして、どっちの良さも引き出しながらやれたらいいですね。

丸山:やることが多い世の中になったね!

全員:アハハハ!

安田:本当やねぇ。

——これからのことを尋ねると、前回と同じく「関ジャニ∞が存在する限りアップデートし続けたい」という。最終的に目指す場所とはどんなイメージなのだろう。

大倉:こんな存在になりたい、みたいなことは考えないです。もう自分たちが世の中に向けてだったり、今ついてきてくれるお客さんにどんなことができるのかっていうのに都度都度、向き合っていくだけで。

安田:ただ、グループをやり続けることでどんどん出てくる旨味みたいなものはあると思う。締めるときは締めるけど、わいわい楽しい空気を皆で持ちながら仕事を楽しむっていうのが、関ジャニ∞の目指す場所、大切なことなのかなと僕は思います。今コンサートのリハーサルをやってますけど、みんな楽しそうで、一緒にやってていいな〜って思うから。そういう空気って伝染するので。

横山:いや、俺は楽しくない、大変です! もう振り付けで頭パンパンやから。ダンス、めっちゃむずいっす。

大倉:むずいな(笑)。

安田:そういうのを言い合って笑いながらやってるのがいいなと思う。一人がダンスの音楽を流したら、休んでたメンバーもステージに乗って一緒になってやるんですよ。そういうのが楽しいなって。

横山:アルバムが僕らに覚悟を決めさせてくれた感じはありますね。久々に5人で立つわけやから、中途半端なものは見せられないと思いますし。

丸山:お客さんも、いろいろな状況を抱えながら見に来てくださると思うんですけど、せめて見ている間は日常を忘れて、没頭して楽しんでいただけたらうれしいですね。そういう場所だから、コンサートって。

(ライター・大道絵里子)

※AERA 2021年11月22日号