テレビ番組を中心に活躍しているお笑い芸人のカンニング竹山さんだが、ラジオ番組のレギュラーも持っている。そんなラジオで話す側でもあり、昔からラジオリスナーでもあるからこそ、改めてラジオの力を伝えたいという。

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 9月21日に僕が月曜に出演しているTBSラジオ『たまむすび』の日本武道館でのイベント『たまむすび in 武道館 〜10年の実り大収穫祭!〜』がありました。2012年4月の放送開始から10周年。僕が仲間に入ったのは番組スタートから2〜3年した頃でした。

 リスナーさん向けのイベントですが、チケットはパンフレット付きのプレミア席が1万円以上して主な席が7000円くらいだったんですど、日本武道館がお客さんで満杯だったんですよ。それ見たときに、すごいなと思った。

 ラジオって、いまやアナログな文化。メディア全体が、地上波のテレビを筆頭にアレもコレもダメだと言われている時代に、こんなに根強いラジオファンがいる。日本武道館をお客さんで埋めるなんて、なかなかできることではない。人の心をつかむラジオの力って、まだまだあるんだなと思った。

 一方で、若い人からは「ラジオってどうやって聴くの?」って質問されたことがあります。実際に、いま家にラジオの受信機があるほうが少ないと思うんですよ。そんな時代に、今回の日本武道館のイベントに参加し、満杯の客席を見て、人の心をつかみ、信頼を得ているのは改めてすごいなと思いましたね。人と人とのつながりを感じた。

 ラジオ番組は映像がないメディアなのに、こうしたイベントのような興行で成功するのはすごいこと。しかも集まっているのは大人たち。写真撮影OKな時間があって、その時、ガラケーを掲げている人もいたしね(笑)。年齢層高めなイベントあるあるで、デジカメで撮っている人もいましたね。そういう大人たちがなかなかイベントにお金を出さない時代なのに、だから改めてラジオってすごいなと思った。

 ラジオは、情報を得るのは基本的には耳からしかないじゃないですか。ラジオのすごいと思うのは、耳だけからの方が情報の理解が、かえって深まること。僕も色々なラジオ番組を聴いていて、ラジオリスナーですけど、聴いているだけというのは、視覚からの情報がないから、より理解しようと脳が動いている感じがするというか、思考が動く。研ぎ澄まされる気がするんですよね。

 ラジオの方が、視覚的に分かりやすくしていないぶん、より人に言葉が伝わるんじゃないかと思う時もある。ラジオは「嘘ついている人」がバレるんですよ。キャラを作ってしゃべっている人はバレると思っていて、どうしてかと言うと耳だけで聴くメディアだから。ラジオを聴いている人は、聴こえてくるものだけから色々把握していこうとするから、人間性とかを見抜かれるし、「この人は信用できる」「この人は嫌い」とはっきり判別されるメディアだと思う。

 いまスマホやネットでラジオ番組を聴けるradiko(ラジコ)ができたから、全国のラジオが聴けるわけですよね。いろんなラジオ番組が聴けるのは、ラジオに廃れゆくメディアと言われながら衰退しない理由のひとつでもありますよね。また、アナログだけれども廃れさせてはいけない大事なメディアの1つだなとも思った。

 ラジオの大切さを改めて感じた感覚は、SNS で公開した電話番号に相談者が電話をする番組『今君電話』(Eテレ)を始めたときと似た感じがあります。ラジオと電話相談の人と人との結びつきは似ている。電話やラジオの発明もすごかったんだけど、いつしか、いろんな便利な道具が出て来た。インターネットはもちろんだし、世界中の人と人とがつながった。AIによって、住んでいる場所、言語関係なく人と関われる。写真も動画もスマホから瞬時に共有できる。便利な世界にはなっているけど、ラジオの底力を感じるのは、人間そのものは変わらないからだと思う。ラジオというメディアは人間の心に響く。

 僕のラジオの楽しみ方というか、すごくいいなと思っているのは、極端な話、朝、新聞を読まなくても何局かのラジオ番組を聴いているとその時に知りたいニュースがわかる。だいたい世の中の動きが頭に入ってきます。

 僕は、朝、ラジオサーフィンをしているんですが、気を付けなければならないのは、放送局によって、思想とまでは言わないけれども論点は様々。出演している評論家やコメンテーターの人がやや偏った考えの場合もある。だから、偏った意見だけが入ってきて、それが正しいとか、みんなの意見だと思ってしまわないように、僕はラジオサーフィンしています。

 Aという局のニュース番組の次はB局の情報番組……とか聴いていると、例えば安倍元首相の国葬に対しても様々な意見がある。1つのラジオ番組のニュースだけでなく、色々聞いてみることさえ気にかければ、ラジオから情報収集もできるし、思考も深まる気がする。

 朝のラジオサーフィン以外はTBSラジオの石橋貴明さんの野球の番組も面白いと思うし、(木梨)憲武さんの番組もゲラゲラ笑いながら聴いている。大阪のラジオ番組なんだけどメッセンジャーさんのも面白い。僕の地元・福岡のラジオ番組をradikoで聴いたりもしています。

 全くの余談ですが、イベントの開催された21日、日本武道館の周辺に警察官がたくさんいて「なんだ? なんだ?」と思っていました。安倍元首相国葬の警備の視察に、トップの方が来ていたそうで、あとからニュースで知りました。報道番組で『たまむすび』の番宣ののぼりで囲まれた日本武道館が映し出されて、国葬警備のニュースが入ってこなくて「なんか、すみません、苦笑」って感じ。

 話しを戻すと、いまこれを読んでいる人でラジオなんて興味がないという人がいたら、いまはスマホで聴けますから、各放送局、番組もたくさんたくさんあって自分に合う番組が見つかりますよ。

■カンニング竹山/1971年、福岡県生まれ。オンラインサロン「竹山報道局」は、昨年4月1日から手作り配信局「TAKEFLIX」にリニューアル。ネットでCAMPFIRE を検索→CAMPFIREページ内でカンニング竹山を検索→カンニング竹山オンラインサロン限定番組竹山報道局から会員登録