実年齢を聞いてビ〜ックリ! 見た目年齢がすこぶる若いスーパードクターは、普段の食生活でどんなことに気を付けているのだろうか。目、肌、腸、脳の健康を考えた“若返りメシ”におすすめなのはどんなもの? これさえあれば、暑い夏も乗り切れる。編集者・ライターの赤根千鶴子氏がレポートする。

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 プルップルのうるおい肌。シミ・しわ・たるみとは無縁の美女医、日比野佐和子さん。日比野さんは31歳で渡米したとき、なんと2年で17キロも体重が増えたという経験の持ち主。その後ハードな糖質制限で一時スリムになったが、体調が悪くなったためダイエットを中止。するとリバウンドして、またまたふっくら体形に。

「あっ、これではいけないと思って食生活を徹底的に改善したのが4年前のことです。食事はすべて手作りにし、朝昼晩きちんと決まった時間に食べるようになった。それだけでも体調がぐんとよくなりましたよ」

 日比野さんがすすめるのは、朝食に卵を食べることだ。卵には必須アミノ酸のトリプトファンが豊富に含まれている。トリプトファンは体内に入るとセロトニンになり、15時間後に睡眠ホルモンのメラトニンに変わり、体を自然な眠りに導いてくれる。

 質の高い睡眠は若々しい体づくりに欠かせない要素。

「だから私は毎朝2個卵を食べるようにしています」 そして目の若返りには、そばがいいという。そばに多く含まれるビタミン様物質・ルチンはポリフェノールの一種。血管の機能を高める働きがあり、かつてはビタミンPと呼ばれていた。ルテインも抗酸化力が高く、目に対しても白内障の改善や、視力の低下を引き起こす加齢黄斑変性を予防するなどの効果が期待できるという。

「私は血糖値の急上昇を避けるためにも、うどんではなくそばを食べるようにしています。夏はお昼ごはんに、そばにみょうがや納豆をたっぷりのせて食べています。さっぱりしているので、暑くて食欲のないときに重宝しますよ」

 そして腸の若返りには、

「断然、ホットヨーグルトです。夜、就寝2時間前にこれを食べるようになってから、私は便秘をすることがなくなり、“快腸”です」

 ホットヨーグルトは市販のヨーグルト100グラムを耐熱容器に入れ、ラップをせずに電子レンジ(500ワット)で40秒程度温めてつくる。

「私たちの腸内には善玉菌、悪玉菌、日和見菌があります。若々しい体づくりに必要なのは、悪玉でも善玉でもない“日和見菌”にアプローチすることです」

 日和見菌にはその特徴から「デブ菌」(ファーミキューテス)、「やせ菌」(バクテロイデス)があり、研究が進んでいる。デブ菌は体に必要のないものまで吸収し、ため込んでしまう特徴がある。その結果肥満につながるとされている。一方、やせ菌のバクテロイデスは、脂肪が脂肪細胞に送り込まれるのを阻止し筋肉に取り込んでエネルギーに変える働きがあるとされている。

「肥満を防ぐにはデブ菌の割合を減らし、やせ菌を増やすのが一番。ホットヨーグルトは、このやせ菌を手軽に増やすのに役立ちます。電子レンジでヨーグルトを腸内温度と同じ約38度前後に温めることで、有効成分の吸収率が高まるのです」

 やせ菌が優勢な腸内環境が整えば、体に必要ないものは“たまらない体”になり、若々しい体形の取り戻しにつながる。これはやらない手はないかもしれない。

 アンチエイジング医学の第一人者・白澤卓二さんも腸の若返りに気をつかっている。

「いつまでも老けないで若々しく生きるためには、体の免疫力をつけることです。そのためには、まずは免疫細胞が集まっている腸内の環境を整えること」

 白澤さんが毎日食す「腸の若返りランチ」がある。

 それは具だくさんの炊き込み玄米と、具だくさんの納豆と、ゆで玉子だ。

「腸内環境を整えるためには、この組み合わせがベストです。僕はクリニックでの昼ごはんは絶対にこのメニューですよ」

 白澤さんは玄米に雑穀、黒豆、バター、塩、黒胡椒、数の子、干し椎茸を入れて玄米専用の炊飯器で炊く。

「玄米は精製した白米よりもビタミン、ミネラル、食物繊維などが多く栄養価が高いんです。そこにたっぷり具材を入れて炊き込みごはんにするので、僕は昼ごはんに食べるのは50グラムで十分。数の子を入れると必ず噛むでしょう? “噛む”という行為は老化防止につながりますから、数の子も実は大事です」

 そしておかずには、これまた具だくさんな納豆を。「納豆に生姜昆布、キムチ、大根おろしを混ぜるんです。納豆には血栓を予防し、整腸作用もある『ナットウキナーゼ』という酵素が含まれています。そこに体の基礎代謝を上げるヨウ素(ヨード)を補うために生姜昆布を、腸に乳酸菌を届けるためにキムチを、消化を助け胃腸を守るために大根おろしを混ぜるのです」

 ゆで玉子も絶対に欠かさない。

「卵=コレステロール=健康によくないという認識を持っていらっしゃる方がいるかもしれませんが、それは大きな誤解です」

 コレステロールの約8割は体内で合成される。食事に影響されるのは残りの約2割。だから卵を食べることがコレステロールの過剰摂取につながる……などということはあり得ないのだ。

「逆にコレステロールを控える食事は、認知症の増加を招く危険な食事です。認知症予防には1日1個以上の卵、と心得ていただきたいですね」

 卵白にはリゾチームという酵素の一種が含まれている。リゾチームは細菌の細胞壁を溶かして殺し、細菌から体を守り、免疫力を高めてくれる作用がある。

「卵でも免疫力を上げて、より元気な腸を守っていきましょう」

 健康で若々しい体は日々の努力から、なのである。

※週刊朝日 2017年7月28日号