沖縄県で開催された「AKB48 49thシングル選抜総選挙」に、自民党の河野太郎衆議院議員がブログ「ごまめの歯ぎしり」の記事(7月6日付)でかみついた。

 問題提起したのは、公費でAKBの総選挙が行われたこと。総選挙は6月17日に開催されたが、悪天候で会場を屋内施設に移し、観客のいない状態で、フジテレビ系で生放送された。

 河野議員はブログでこう指摘する。

「今後のAKBの誘致が目的ならば、成果指標は来年度以降のAKBの沖縄公演の日数または回数などでなければおかしいのではないか。閑散期に大きなイベントをやって観光客を呼び込むというのが戦略なのだろうか。しかし、補助金をもらってイベントをやるだけならば、持続的ではない」

 今年度の内閣府の沖縄振興予算は3150億円。このうち国からの一括交付金は1358億円。沖縄県は「戦略的課題解決型観光商品等支援事業」を設け、総選挙を事業対象とし、交付金からの支出を決めた。会場設営費等に3千万円を予算化して交付金2400万円を充て、5月28日に開催されたミニライブ&トークショーでは、那覇市が500万円を予算化し、このうち400万円が交付金で、計2800万円投入された。

 県観光整備課に聞くと、

「河野議員のブログは見ておりますし、内部で共有化しています。それ以上、お話しできない」

 とした上で、

「会場設営の一部を助成しただけです。AKBのメンバーの出演ギャラを出したわけではありません」

 と説明。同事業では、昨年は沖縄出身のお笑いコンビ「ガレッジセール」の舞台に使ったという。全国のコスプレ好きを集めた「コスプレ祭」もやっている。

「これがきっかけとなってリピーターのお客さんが増えてくれればと思います。来年以降もAKBフェアの企画の提案を受けています」(県担当者)

 総選挙は15年に福岡県、16年は新潟県で開催。だが、いずれも「県のお金は支出していない」と回答した。15億円の経済効果があったとされた新潟の担当者は、

「税金を使うと批判が出ると思い、予算を出すのはやめました。ただ、AKB総選挙は県外からも大勢の若いお客が来てくれる。PRのために、この機を逃さないという沖縄県の考え方もなんとなく理解できる」

 と語った。

 河野議員に取材すると、こう話した。

「閑散期に客が来ないので観光促進のためだと言うけれど、こういうイベントは一時しのぎでしかない。交付金の予算額が大きいわけですから、使途や戦略はどうなの、ということです」

 河野議員の指摘を受け、交付金を管轄する内閣府・沖縄政策の担当者は、

「AKB総選挙に交付金を使うことについては事前に把握していませんでした。河野議員のご指摘については、真摯(しんし)に受け止めて、会議を開くなど検討しているところです」

 総選挙は行政府にも大きな影響を与えている。

※週刊朝日 2017年7月28日号