7月22日は、ナッツの日。ビールのつまみにしたり、サラダや炒め物に入れたり。おいしくて栄養バランスも良く、ナッツは夏バテ対策にも最適だ。ブームとはいえ、食べすぎにはご用心。というのも……。



 店頭に並ぶ素焼きアーモンドのパッケージ表示を見てみる。1袋(100グラム)は637キロカロリー。袋から1粒ずつ取り出して全部数えると85粒。1粒7.5キロカロリーの計算だ。

 ご飯1膳を250キロカロリーとすれば、1袋の3分の1ほどで、1膳分になってしまう。慶応義塾大学医学部化学教室の井上浩義教授は「ナッツはカロリーが高いため、摂取量には注意が必要です」と話す。

 カロリーだけでなく、脂肪分にも気をつけたほうがよい。

 麻布大学生命・環境科学部の守口徹教授は「良質な脂質が含まれているから、ナッツを積極的に食べましょうと考えるのは間違い」という。その理由として、ナッツはオメガ6系の脂肪酸を多く含むことを挙げる。

「ウォールナッツ(くるみ)は、オメガ3系の脂肪酸をナッツ類で一番多く含んでいます。ただ、その量は菜種油程度。その約5倍ものオメガ6系の脂肪酸を含んでいることを知っておくべきです」

 オメガ3系とはαリノレン酸などで、オメガ6系はリノール酸など。ともに体内で作り出せず食品で補う必要のある「必須脂肪酸」。ただ、オメガ6系は加工食品などで多く使われ、過剰摂取による健康被害の恐れが指摘されているのだ。

 守口教授によれば、オメガ6系のくるみより、オメガ9系のオレイン酸などを多く含むヘーゼルナッツやマカデミアナッツのほうが、油の種類から見るとまだ良いという。オメガ9系は、悪玉コレステロールを下げることが報告されている。

 油には注意が必要だが、ナッツを食生活にうまく取り入れ、美しさを保つ女性もいる。栄養コンサルタントのエリカ・アンギャルさん。「ナッツを食べると、食欲を刺激するホルモン(グレリン)が抑えられます。正しくとれば、ダイエットの味方になります」

 自宅キッチンはナッツであふれている。特にくるみが大活躍で、ヨーグルトの上に載せたり、あえものに使ったり。アーモンドは砕いておにぎりにふりかけたり、煎りごまやのりと一緒にサラダにトッピングしたり。洋風な食材のイメージが強いが、和食のなかで多く取り入れているという。

 デザートでもよく使う。くるみとアーモンド、ピーカンナッツを入れたグルテンフリーのマフィンを作る。食感がよいため、少量でも取り入れる。「毎日摂取するのは、ナッツ全体で20グラムほど。手のひらに載るぐらいの量をよくかんで頂いています」と話す。

 食物繊維が豊富なので、若い女性こそ上手にとりたい。厚生労働省が勧める1日の食物繊維摂取量に対し、実際の摂取量は約3グラム足りない。補うためには、「アーモンドとピスタチオを合わせて25グラム食べると良い」(井上教授)

 井上教授は『やせる! 健康! 血管しなやか! 1日20粒のピーナッツパワー』の著書がある。ピーナッツは「ナッツ類」ではないが、血管を強くするなど健康効果が注目される。前出のエリカさんも毎日、大さじ1杯の無糖のピーナッツバターを、セロリなどの野菜と摂取するという。

 ナッツに含まれる脂溶性抗酸化物質は、肌の再生だけでなく、細胞の代謝を高めるのにも有効だ。細胞の働きが活性化されると、健康で美しくいられる。

 体によいものでも、食べすぎはよくない。井上教授は「アーモンドは大丈夫ですが、くるみはアレルギーを発症する割合が高く、注意しましょう」と話す。

 なるべく小袋入りのものを選ぶなど、食べすぎには注意。ナッツは「アブラ」の塊であることをお忘れなく。

※週刊朝日 2017年7月28日号