「家計の金融行動に関する世論調査」(金融広報中央委員会、2016年)によると、2人以上世帯で金融資産を保有していない比率はなんと30.9%。根拠のない「なんとかなるさ」はもうやめよう。編集者でライターの赤根千鶴子がお金のプロにその“金言”を聞いた。

「お金を貯めるには、まず自分自身がどういう人間なのかを知ること。そして自分の家計の現状をきちんと把握することが大切です」

 と横山光昭さん。横山さんは今まで1万人以上の赤字家計を再生してきた“お金のプロ”だ。

「お金を貯めるための力を、私は『貯金力』と呼んでいます。貯金という行動は、いまお金を使うことよりも、未来にお金を使うことを予測し、優先することです」

 そもそも貯める素質があるのかどうか、まずは下の貯金力チェックリストで調べてみてほしいという。

「10個以上のチェックがある方は、自分は相当意識しないとお金が貯まらない人間なのだということを忘れないようにしましょう。その意識を持って生きていくだけでも、人生は全然変わってくると思いますよ」

■「あなたは貯金力があるか?」チェックリストで診断
【横山式「貯金力」チェックリスト】
□レシートはもらわないし、中身も気にしない
□特売品は買わなきゃ損! でも行ったら他のモノもいろいろ買っている
□冷蔵庫が汚く、ダメにしてしまう食材がよくある
□ケチと節約の違いがわからない
□夫婦の場合、妻が家計のやりくりをするのが当然だと思う
□今、財布にいくら入っているかわからない
□水道代が高いが、使い方を気にしたことがない
□新しいものが好き。できるだけ手に入れたい
□誘われたら、少し無理をしてでも飲み会などに行く
□時間を守るつもりでも、よく遅れる
□「何とかなるわ」と思うことが多い
□100円ショップで大量に買い物をしてしまう
□バッグのなかがごちゃごちゃになりがちだ
□よく風邪をひく
□老後と明日、より心配なのは「明日」のほう
出典・『手取り20万円台でも「貯まる家計」に変わる新常識44』(ワニ文庫)

・0〜3個……90点 貯める素質十分にあり!
行き過ぎると「ケチ」ともとらえられるかもしれません。いまの状態でもお金の状況に不満があるようなら、家計診断を受けてみましょう。節約があっているのか、間違っているのか、現状がベストなのか、もっとできることがあるのかが見えてきます。もっと適した投資、貯金法があるかもしれず、いまよりお金を貯める、または有効に使うための方向も見えるはずです。

・4〜6個……75点 工夫すれば、貯金家計の仲間入り
少し手抜きが多いようですが気をつければ簡単に改善するレベルです。すべてを改善すると窮屈ですが、できそうなところからいくつか改善する努力をするとお金を貯められます。何ができるのかを見つけるには、家計診断を受けることがベスト。工夫できる点も見つかりますし、貯金家計への仲間入りが最短でできるようになります。

・7〜9個……60点 注意しないと貯まらないかも
お金を使う良くない習慣が、常習化していませんか? 早めにできるところから改善しましょう。常習化すると、改善するのが大変です。自分の良くない習慣がわからない人は、一度家計診断を受けてみましょう。

・10〜12個……40点(以下赤点) かなり頑張らないと貯まりません
「何とかなる」「仕方がない」支出は家計の敵! 改善を意識しながら、できるだけお財布を開かないことにも注意してみましょう。自分の悪い点に気がつくためには、収支の内訳を意識することが大事。その評価を客観的にしてくれるメンターもほしいところです。

・13個以上……20点 今は、赤字体質!ここから一転しよう!
何に使ったかわからないお金が結構あるのでは? まずはお金を何に使ったかをきちんと把握しましょう。そこからが始まりです。お金と向き合う体質を変えていかないと、お金のトラブルに発展してしまう恐れも。体質を改善するためのプログラム等に参加し、お金と上手につき合える人に変わることを目指しましょう。そうすることで、家計の中身も変わり、貯金できるように変化することができます。

 そして今の貯蓄額、家計状況を整理する。

「今の貯蓄額、そしてローンなどの借金額を書き出しましょう。その後1カ月あたりの収入(手取り)、支出を書き出します。支出の内訳は12項目くらいに分けて計算するといいですね。いったい何にお金を使いがちなのか、家計の現状がはっきり見えてきますから」

 住居費(家賃・住宅ローン)、食費、水道光熱費、通信費(スマホ料金等)、生命保険料、生活日用品費、教育費、交通費、被服費、交際費、娯楽費、その他(医療費等)。この12項目の1カ月あたりの支出をそれぞれ書き出し、支出合計を計算する。そして1カ月あたりの収入から支出を引いてみよう。赤字の家庭は要反省!

「子どもの教育費がかかるうちはなかなかお金も貯まりにくい。でも理想は毎月手取りの16.7%を貯金に回すことです。そして私は家計相談に来られる皆さんにお伝えしているのですが、貯金の最初の目標は月収の7.5カ月分と心得てください。使うための貯金(1.5カ月分)と、万が一収入が途絶えても当面生活できる生活防衛資金としての貯金(6カ月分)の合計です」

 そして7.5カ月分の貯金ができたら始めてほしいのが、「3000円投資」だと横山さんは言う。

「今の時代、普通預金に預けているだけではお金は増えません。ですからきちんと貯金をしながら、月々3千円という無理のない金額で投資を始めることをおすすめします」

 口座開設はネット証券がいい。

「自宅で手軽に申し込みができますし、少額投資から始めたい人に向いています」

 最初はバランス型投資信託から。

「私が特におすすめなのは『世界経済インデックスファンド』(三井住友トラスト・アセットマネジメント)です。そして『eMAXISバランス(8資産均等型)』(三菱UFJ国際投信)。これらは手数料が比較的安く魅力的です。

 投資額を増やすのは、慣れてきてからでいいのです。リスクを抑え、今あるお金を守りながら貯蓄を増やす。これが私のテクニックです」

※週刊朝日  2017年8月4日号