放送作家でコラムニストの山田美保子氏が楽屋の流行(はや)りモノを紹介する。今回は、山田朱織(しゅおり)枕研究所の「整形外科枕」について。
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「松居一代も愛用」と書くと、いまは拒否反応を起こしてしまう読者の皆さんが少なくないと思われるが、芸能人の首こりを緩和し、安眠させてくれているのが「整形外科枕」。「16号整形外科」の山田朱織(しゅおり)枕研究所で一つずつ、高さを丁寧に計測して作ってくれる。

「2時間サスペンス」から「稲川淳二の怪談ナイト」のような語り口に変化したYouTubeの映像とは異なり、フレンドリーな(?)文体で綴られているのが、現在、女性芸能人で突出したPV(閲覧数)を誇る松居のブログ。

 89歳の親切なおばあちゃん宅からカプセルホテルへと移った頃、おばあちゃんから貰ったという新品のパンツ(ズロース?)が水色の枕の上に載っていた。

 松居ネタをもっとも長尺で扱っている「ビビット」(TBS系)は、日本で唯一のホテル評論家、瀧澤信秋氏に依頼。「この枕は、松居さんが宿泊しているカプセルホテルのモノではないですね」と言わせた。

 で、同番組スタッフが松居のブログを遡(さかのぼ)っていったところ、同枕を絶賛している文に行きついた。実は松居は、自著『松居一代の開運生活』でも「人生を変える『枕選び』」と題し、いかに枕が大切であるかを記しているのだ。

 山田朱織医師は父上も整形外科医。肩こりや首こりに悩む患者さんに、市販の枕ではなく、座布団をカットしたり、バスタオルを折り畳んで、その人の首の傾斜にピタリと合う高さにして寝るようにすすめていた。

 その考え方をもとに商品化したのが「整形外科枕」。でも、患者一人ひとりが「この高さがラク」とシックリくるまで計測を重ねるので、大量生産というわけにはいかぬ完全オーダーメイドだ。

 その真面目すぎる精神と「枕で寝相を改善する」「正しい睡眠は自分に合った枕から」という考えは、これまで、たびたび、テレビ番組で取り上げられている。

 その都度、ゲスト出演している芸能人のほぼ全員が「欲しい」と手を挙げてきた。そのなかに、松居一代と、なんと船越英一郎も居たのだという。

 睡眠中、寝返りを阻害しないフラット構造の、パッと見、大きな消しゴムのようなフォルム。「計測所に来られない人」「予約待ちができない人」には、「自宅にある玄関マットや座布団で手作り」をすすめている、本当に良心的な山田朱織医師だ。

 松居や船越以外にも、森三中の大島美幸ら、お笑い芸人に特にユーザーが多い。

 松居、船越のみならず、芸能界には「眠れない」という悩みを抱えている人が多いようで……。

※週刊朝日  2017年8月4日号