年下の男に惚れられる女は、同時に年上の男にも惚れられる。下にも上にも“年の差を超える”女の色気とはどういうものだろうか? 『ゆとりら 夏号』に収録された美容ジャーナリスト、エッセイストの齋藤薫氏のエッセイをお届け。女性の「美」の奥深さに迫る。

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 幾つになっても“年下の男”に言い寄られる女は、女としてのランクが高いと言われる。逆に、20代で40代以上の男に愛される女も、やっぱり女として魅力的とされている。今の時代はハッキリ言って、パートナーがどんなに年下だろうが、どんなに年上だろうが、もう誰も驚かなくなっているけれど、極端な年の差を克服できる女は、やっぱりそれなりの奥ゆきを持っていると言えるのだ。

 もっと言えば、どちらの場合も、ある種の“色気”を備えている証。年下から憧れられるのは、いうならば、清潔感のある大人の色気。そして年上から選ばれるのは、大人っぽさと同時に無垢な色気。

 ところが、年下の男に惚れられる女は、同時に年上の男にも惚れられるという傾向があるって知っていただろうか? ここで言う魅力も色気も、要はオールマイティだということ。

 そもそも、年下にも年上にも愛される女は、年をとらない。外見的にいつまでも若々しくいようとするベクトルと、内面的にいつまでも素直でいようとするベクトルが掛け合わさり、年をとらせないのだ。

 これは、異性に対してだけじゃない。同性の年下、年上、両方に慕われる人はみな同じことがいえるのだと思う。後輩にも先輩にも好かれる人は、人としても奥ゆきのある魅力に溢れているはずだし、まさに上にも下にも働くベクトルが年齢不詳の“年齢を感じさせない人”をつくっていく。

 だから逆を言うなら、後輩はとても得意だけれども、先輩は苦手とか、逆に年下の同性とはうまく話せないというふうに付き合う人との関係性が偏ってくると、人としてのバランスがどんどん悪くなる。仕方がないけれど、気をつけたいこと。

 どんな年齢の人ともぐるりとまんべんなく付き合えて、どちらからも愛されることもまた、ひとつのアンチエイジングだって知っていたい。