銀行といえば昔から職場結婚が多いイメージだが、イマドキの銀行員の結婚事情はどうなっているのか。

「行内でくっつくのは相変わらず多いです。ついこの間も部下が『僕たち結婚します』って挨拶に来ましたね」

 そう証言するのは、あるメガバンクの支店長(50)。女性総合職が増えてきたとはいえ、一番ありがちなのは「男性総合職と女性一般職」の組み合わせだそう。別のメガバンクの男性(26)も実感を込めて言う。

「一般職の子たちは、まさに食いついてくる感じです」

 大学時代まで冴えなくても、銀行に入った途端、人生最大のモテ期に突入するケースも少なくないという。

 銀行というのは出会いのチャンスには事欠かない。やたらと研修がある上、異動も多いので歓送迎会もほぼ毎月。さらには「中部」「関西」などエリア別バーベキュー大会、つまり広域の合コンも頻繁に開かれている。

 支店内では、入行数年目の一般職女性が、新人の総合職男子の「指導役」になることが多い。手取り足取り教えているうちに仲良くなり、新人クンの次の支店への異動が決まると同時にゴールイン、というのも定番だ。

 男性銀行員は社外の婚活市場でもモテる。結婚相談所インフィニ青山結婚予備校の社長、佐竹悦子さんによれば、「公務員や商社マンと並ぶ人気です。やはり学歴がよくて育ちもいい。見た目も清潔という安心感があります」。

 ただ就活で転勤を嫌う学生が増えているのと同様に、結婚でも転勤がネックになるケースが増えているという。

「商社マンと結婚して海外の大都市で駐妻(駐在員の妻)になるのはOKという女性は多いんですけどね。銀行は国内転勤が多いので、その点で敬遠される女性もいらっしゃいます」(佐竹さん)

 とはいえ、概して銀行マンの人気は盤石で、いい人から早い者勝ちで売れていくのが現状だ。「とにかく女性側からのプッシュが強くて押し切られるパターンが多い」(三菱東京UFJ銀行男性、29)といい、ヒアリングした銀行員たちによれば、男性は「25〜26歳で結婚するのが普通」「30歳手前で8割方が既婚者」だそう。

 平均結婚年齢は夫婦とも初婚の場合は男性30.7歳、女性が29.0歳(2015年時点)というこのご時世、昭和40年代にタイムスリップしたかのようだ。

 しかし、晩婚化に無縁なのは男性銀行員に限った話のようで、前出の佐竹さんによれば、同社では女性銀行員の登録が年々増えているという。

 女性総合職の場合、ハードな仕事に耐える精神力、待遇ともに男性総合職と同等なので、どうしても自分より「格上」を求めると対象が減ってしまいがち。学生時代からのカレや、仲良くなった同期と早めにゴールインしない限り、「気がつくと、周りのまともな男は全員既婚者」といった状況になってしまうという。

 また一般職女性も最近、かなり高学歴化しており、「東大や早慶上智出身の子がごろごろいる」(みずほ銀行男性、32)。彼女たちは、全国転勤が嫌で、結婚後も長く働くために、あえて一般職を選んでいるケースも多い。となれば、全国転勤が確実な総合職男性を、わざわざ選びたくはないのかもしれない。

 さらに一般職といっても、かつてのような「サポート役」に留まらない高度な業務を担い、上昇志向の強い女性たちもいる。

「男性を見る目もシビアで、将来ちゃんと出世しそうかどうか、厳しくチェックしている」(前出の支店長)という。

 メガバンクの一般職時代、転勤がイヤで行内で相手を見つけられず、その後自らのキャリアアップを目指して外資系銀行に転職した女性(34)は言う。

「年収1千万円以上という条件は譲れません。周りの独身の金融女子も皆、自分の倍は稼いでほしいと言ってます」

 この女性が求めるもう一つの条件は「野心家であること」。

「日本の銀行マンって、どちらかというと草食系。いい子ちゃんすぎて物足りないんです」

 かくして、できる女性銀行員たちのハードルは高まっていく。(編集部・石臥薫子)

※AERA 2018年1月22日号