2215試合連続出場の記録を持ち、誰もが認める「鉄人」も、がんには勝てなかった。



 プロ野球・広島で活躍した衣笠祥雄(きぬがさ・さちお)さんが死去したことが、24日わかった。71歳だった。死因は大腸がんだった。

 1965年に広島に入団し、三塁手として活躍。広島の5度のリーグ優勝、3度の日本一に大きく貢献し、同じくカープ一筋だった山本浩二さんらとともに「赤ヘル軍団」の主軸として活躍。走攻守の3拍子そろった選手としてファンからの人気を集めた。

 70年から重ねた連続試合出場は87年9月の現役引退まで2215試合まで伸ばし、現在も日本のプロ野球記録として残っている。そのほか通算安打数歴代5位、通算本塁打数歴代7位など、数々の記録を打ち立て、国民栄誉賞も受賞した。

 19日に横浜スタジアムで行われた横浜DeNA-巨人でテレビ解説したばかりの急逝。ネット上では「声がかすれていた」「辛そうだった」などと心配する声が上がっていた。

 国立がん研究センターがん情報サービスによれば、大腸がんは40代から増加しはじめ、高齢になるほど高くなるという。死亡率は男性が女性の約2倍と高い。

 大腸がんは初発だけでなく再発でも、完全にがんを切除できれば治る可能性が高く、腹腔鏡手術の導入も進んでいる。週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2018』から、大腸がんの手術数が多い病院ランキングとともに、最新治療について解説する。

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 大腸がんにかかる人の割合は40代から増え始め、高齢になるほど高くなっていく。実際には65歳以上でかかる人が多い。2012年に新たに大腸がんと診断された人は13万4575人。1990年には約6万人だったため、約20年間で2倍以上に増え、今後も増加することが予想されている。

 大腸がんの治癒に向けて、大きな役割を果たす治療法が手術だ。がんを完全に切除できれば、治癒を目指せる。早期がんのうち内視鏡治療の適応外のもの、および進行がんには、手術が第一選択肢となる。

 ランキングでは、大腸がんを結腸がんと直腸がんに分け、それぞれの開腹手術、腹腔鏡手術の件数を示している。腹腔鏡手術は、傷が小さく回復が早いことから希望する患者が多く、大腸がんでは当初、比較的手技のやさしい結腸がんで普及してきた。近年、より難度の高い直腸がんにも腹腔鏡手術を導入する病院が増えてきている。

 国立がん研究センター東病院の伊藤雅昭医師は病院選びのポイントを次のように話す。

「結腸がんでは臨床試験により、開腹・腹腔鏡ともに手術成績が良いことが認められています。ただし、腹腔鏡手術は技術的な担保が必要な手術。熟練した病院は成績に差が出ます。特に直腸がんなどの難しい腹腔鏡手術では、『手術数』が多く、日本内視鏡外科学会の『技術認定医』がいるような技術レベルの高い病院を選ぶとよいでしょう」

 手術数について、大阪国際がんセンターの大植雅之医師はこう話す。

「年間およそ100例以上、ISR(括約筋間直腸切除術)は通算50例以上の経験が、一定の技量レベルを有する病院の目安になるでしょう」

 一方、直腸がんでは、肛門に近い場合、がんと内肛門括約筋を切除し、肛門を残すISRや、進行直腸がんの骨盤内臓器全摘での他科連携による臓器再建など、特殊な手術がおこなわれるため専門性の高い病院を選ぶ必要がある。手術数の比率を見ると、病院の特色がわかるようだ。

「結腸がんと直腸がんの患者数は、およそ2対1の割合。ランキングの手術数の比率を見て、これより直腸がんが多い病院は、直腸がん手術を得意としていて紹介患者が多く集まっている可能性があります」(大植医師)

◎伊藤雅昭医師/国立がん研究センター 東病院 大腸外科長

◎大植雅之医師/大阪国際がんセンター 消化器外科 主任部長

※週刊朝日ムック「手術数でわかるいい病院2018」から

(文・坂井由美)