赤ちゃんが1歳の誕生を過ぎるころ。「そろそろおっぱい卒業なのかな?」と思い始めるお母さんも多いのではないでしょうか?厚生労働省「平成27年乳幼児栄養調査」の「授乳について困ったこと」というアンケートで12.9%の人が「卒乳の時期や方法が分からない」と答えています。

 私の親世代に卒乳の話を聞くと「おっぱいに鬼の絵を描いてやめさせた」「おっぱいにカラシを塗ってやめさせた」なんて返事が返ってきました。もちろん、それも一つの方法ですが、できることなら赤ちゃんがビックリして大泣きすることなく、お母さんにとっても、スムーズに卒業できることがベターですよね。今回は、そんな「卒乳」を見ていきます。

●卒乳はいつ頃が良いの?

 卒乳は、自然の流れで子どもがおっぱいから離れていくこと。それに対して断乳は、親の事情でおっぱいをやめることです。前者の「卒乳」には「この時期にしなければいけない」という決まりはありません。卒乳する目安としては、

・栄養の大半が離乳食になってきた
・コップやストローを使えるようになった
・おっぱい以外の水分がとれるようになった

 などがあれば、「そろそろ、卒乳の準備が整ってきた」という目安となります。また、お母さんが授乳をそろそろやめたいと思っているのも大切な目安です。では保育所の実例を挙げてみてみましょう。

・Aさん親子(子ども1歳)

 お母さんの仕事復帰に合わせて保育所に入所しました。保育所入所した時は、保育時間が短かったので母乳を飲んでいましたが、お母さんの仕事が本格的になってくると保育所での生活時間が長くなるので、授乳の回数がおのずと減ります。合わせて、牛乳を飲み始めたのでそのまま徐々に卒乳しました。

・Bさん親子(子ども2歳)

 保育所に入所して1年近くたちました。今でも、お母さんのおっぱいが大好き。お母さんも「保育所から帰宅した時だけ、おっぱいを欲しがるんです。これで安心してくれるので、スキンシップと思って授乳しています」とのこと。寝るときは、授乳しなくても寝ていますが、保育所で頑張った後は、おっぱいが恋しいようです。そんな子どもとのスキンシップの時間が、お母さんにとってもホッと一息、癒やしの時間なのです。

 このように、卒乳時期は、その子その子によって違いがありますので、周りの赤ちゃんと見比べて焦る必要はありません。急がなくて大丈夫です。

●卒乳の進め方のコツ

 では、具体的にどのように卒乳を進めていけばいいか?

・「いつでもどこでも授乳」をやめる

 泣いたら授乳していたのをやめ、時間を決めることからスタートしてみましょう。今までおっぱいを飲んでいたところを、抱っこしてスキンシップをしたり、湯ざましやお茶に変えてみたりします。おっぱい以外に満足できる方法が親子ともにわかれば、おのずと授乳回数が減っていきます。また、1回の授乳時間を短くしていく方法もあります。

・卒乳の時期を赤ちゃんに説明する

 急に、おっぱいの回数が減ると赤ちゃんもびっくりしてしまいます。「〇〇の時だけにしようね」「〇〇ごろにはおっぱいやめようね」など、その時々にあらかじめ前もって赤ちゃんに説明しておきます。「説明してもわからないでしょ?」と思わず、「説明する」といいです。

・1日3食とおやつを食べる

 生活リズムを整えて、1日3食と間におやつを1〜2回取り入れ、栄養の主を食事に切り替えていきます。遊ぶときも、体を使った遊びを取り入れるなどすると、よく食べるし、疲れて授乳なくコテンと寝るようになります。

・寝る前に授乳以外のことを取り入れる

 授乳を寝かしつけの時にしている親子が多いと思います。お母さんのおっぱいがあるからこそ安心して寝る赤ちゃんが多いですが、こちらも徐々に授乳しなくても寝られるようにしていきます。例えば、絵本を読む、お話をする、マッサージをするなど。

 こうして、徐々に授乳の回数を減らし、1日飲まない日を作り、2日、3日と日数を増やしていきます。赤ちゃんにおっぱいを飲ませないので、おっぱいを絞るなどのケアは忘れずに行いましょう。

 私自身は、職場復帰を見据えて最初から粉ミルクとの混合栄養でした。生後1カ月足らずで仕事復帰をしたので、5、6カ月には母乳が出にくくなりそのまま卒乳でした。私としてはもっと長く母乳を飲ませたかったという切ない思いが今でも残っています。だからこそ、母も子も両方が納得いく時期に、納得いく形で卒乳してほしいなと思います。

(文/中田馨)

※AERAオンライン限定記事