ヒップホップ・アクティビストのZeebraさんが「AERA」で連載する「多彩な野菜」をお届けします。1997年のソロデビューからトップとしてシーンを牽引し続け、ジャンルや世代を超えて多くの支持を得ているZeebraさん。旬の野菜を切り口に、友人や家族との交流、音楽作りなど様々なエピソードを語ります。



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 先入観って怖いですよね。ズッキーニを初めて知ったとき、親から「西洋のキュウリみたいなもんよ」と言われた気がするんです。だからどうしても、こいつはキュウリの仲間だという先入観がいまだに消えなくて。本当はカボチャの仲間なんですってね。

 ズッキーニって加熱するじゃないですか。パスタに入ってたり、グリルしてチーズをかけたり。輪切りになった姿を見ても、やっぱりキュウリっぽいと感じてしまう。キュウリ的なものがクックされてる状態って、見れば見るほど見慣れない感じが募って、キュウリがこんなになってるのは食べたくねぇな、って食欲がわかない。食べればおいしいのに、キュウリという余計なインプットが先にあることで損してる気がします。

 友だちで、ドレッドヘアで結構体格のいいやつがいたんですが、1980年代後半ぐらいに、もうどこへ行っても麻原彰晃と間違えられてしまって。全然そんなやつじゃないのに、見た目で損してるぞ、っていう。先入観はよくないってことで、ズッキーニとの付き合い方も変えようと思います。

※AERA 2019年9月16日号