タレント、モデルとして活躍し、2歳の男の子のママでもある押切もえさん。昨年は初の翻訳にも挑戦。現在発売中の『AERA English特別号「英語に強くなる小学校選び2021」』では、自身の英語学習と子どもの英語教育について話を聞いた。



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 ハリウッドスターへのインタビューや、翻訳に挑戦した経験もあるなど、英語力が高いことでも知られる押切もえさん。プライベートでは2歳の男の子のママとして、“わが子の英語教育”にあれこれ思いを巡らせている一人でもあるが、自身がきちんと英語を学んだのは、中学校の授業が最初だったという。

「ネイティブスピーカーの先生の授業がおもしろくて、一気に引き込まれましたね。教材も『アラジン』や『ライオンキング』といったディズニー映画の原書などで、ストーリーのわくわく感はもちろん、英語では“アラジン”ではなく“アラディン”と発音すると知ったときの驚きなど、今でもよく覚えています」

 時代は、スーパーモデルブームの真っただ中。いつしか「モデルになって海外で活躍したい」という思いが強くなり、高校卒業後には、英語日記をつけるようになる。

「日記といっても3行だけですが、『撮影はtake a pictureじゃなくてshooting って言うんだ!』といった発見があったり、身についていない表現に気づけたりもして、楽しかったですね。さらに、20歳でモデルの仕事を始めてからは、現場で外国のかたを見つけては、積極的に英語で話しかけるようにもしていました」

 そして25歳のときに、ついに仕事でニューヨークへ。けれども、憧れの街で待っていたのは挫折だった。

「店で注文すれば聞き間違えられ、現地の速い英語は聞き取れない。ホテルの部屋から出るのが怖くなってしまうほどでした。でも、速い英語に触れる経験が足りていなかったことに気づくきっかけにもなって、帰国してすぐに英会話教室に通い始めたんです」

 とことん努力する姿が、周りにも伝わったのだろう。やがて英語学習番組「英語でしゃべらナイト」のゲストとして、海外セレブにインタビューするチャンスが訪れる。すると、そこで奮闘する姿が番組ディレクターの目に留まり、今度は同番組のレギュラーに。英語力にも磨きがかかり、最近では、海外ベストセラーの翻訳の話にもつながり、二つ返事で挑戦を決めている。

「海外への憧れからスタートした英語学習でしたけれど、今では、世界中の人と通じ合えることが、何よりの喜びかもしれません。海外旅行先で言葉が通じるようになったのはもちろん、意見をきちんと主張する大切さに気づけたりもして、世界が広がったなあと思います」

 だからこそ、もっぱら気になっているのが、2歳になったわが子の英語教育だ。

「自分自身の世界が広がったという経験が大きいですが、私のように英語の壁を感じることなく育ってほしいという思いもあります。そもそも、英語を話せることで純粋に友達も増えますし、きっと生きていく選択の幅も広がりますよね。一方で、私は日本語も大好き。日本語をきちんと身につけながら、英語も学んで、広い視野を持った人になってもらえたらいいなと思っています」

 そこで今は、週1回英会話のレッスンを受けたり、海外のテレビアニメを一緒に見たり、もえさんが日本語と英語で話しかけたりすることから始めたところだという。

「身近にいる親が、下手でもいいから日本語のあとに英語で話しかけることが大事だと聞いて、最近はがんばって実践しています。何にせよ、親子で英語を話せたら、海外旅行に行くだけでもきっと楽しくなるはず。そのためには、私も子どもに負けじと学び続けていきたいです」

◆押切もえ(おしきり・もえ)
1979年、千葉県出身。モデル、タレント、小説家。ファッション誌「CanCam」(小学館)の専属モデルとしてブレーク。2007年から英語学習番組「英語でしゃべらナイト」(NHK総合)にレギュラー出演し、19年には海外ベストセラー『たまには、やすんだら? ナマケモノさんが教えてくれる世界一かわいいマインドフルネス』(飛鳥新社)の翻訳に挑戦した。

◆押切もえさん初の翻訳
『たまには、やすんだら?ナマケモノさんが教えてくれる世界一かわいいマインドフルネス』(飛鳥新社)
海外でブームになっている脳の休息法「マインドフルネス」のコツを、"ナマケモノさん"が教えてくれるイラストブック。「原書の持つ優しさやユーモアといった空気感を大切にしました」(押切もえさん)

(文/竹倉玲子)

※『AERA English特別号 英語に強くなる小学校選び2021』より