日本でオンライン英会話が普及して約10年。おうち時間の急増で再び注目を集めている。しかし、数あるオンライン英会話のなかから自分に合ったサービスを選ぶのは至難の業。
現在発売中の『AERA English2020 Autumn & Winter』では、オンライン英会話の利用時間834 時間超え、自身が運営するWEB サイトでオンライン英会話の比較記事なども執筆する柴崎亮さんに、選び方のポイントを聞いた。鍵となるのは「講師の国籍」と「料金形態」だという。

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 英語レベルが初級か上級か、学習目的が海外旅行を楽しむためかビジネスで使えるようになるためか……どのオンライン英会話にするか決める際、参考書を買うときと同じようにそれらのポイントが大事だと思っていないだろうか。

「レベルも目的も、オンライン英会話を選ぶうえでは全く関係ありません」

 そう話すのは柴崎亮さん。英語初級レベルからオンライン英会話をはじめて、4 年で名門の米バブソン大学に留学した。自身が運営する英語学習と海外留学のWEB サイト「There is no Magic!!」ではオンライン英会話の学習方法や比較記事などを執筆している。

「使い方を自分のレベルや目的に合わせてカスタマイズできるのがオンライン英会話のいいところです。総合的な教材がそろうオンライン英会話であれば、日常からビジネスまで英語学習者の目的の大半をカバーすることが可能です」

 では、どんな基準で選べばいいのか。オンライン英会話を客観的に判断するポイントは二つあるという。図でも示している「講師の国籍」と「料金形態」だ。「最も違いが表れるのは講師の国籍でしょう。講師がフィリピン人中心か多国籍かで分かれます」

 フィリピンは講師の人件費が安いため、受講料金も比較的安いところがそろう。また、フィリピンの国民性は陽気であたたかいと言われており、初心者でも受けやすいという点が魅力だ。

「一方で多国籍の講師がいると、ネイティブからフィリピンを含めた非ネイティブまで、さまざまな国の英語を聞くことができます。国によってアクセントは違うので、どんな英語が伝わりやすいのかなど、勉強になります。また、多様な文化にも触れられるので、楽しいですね」

 ただ、ネイティブ講師のレッスンを受講するとなると少し料金が高くなる傾向がある。非ネイティブプランとネイティブプランを用意する会社もあるが、ネイティブプランは総じて料金がアップする。

■コイン制は受講数を調節できて経済的

 次にポイントになるのが「料金形態」。現在、総合的なサービスを提供するオンライン英会話の月額費用は6000 円から2 万円強だ。「料金形態は大きくわけて二つあります。一定期間に決まった金額を払う定額制か、月ごとにコインが付与されるコイン制です」

 定額制は、月ごと・年ごとに一定額を支払えば毎日または期間中に決まった回数を受講することができる(回数無制限のところもある)。一方、コイン制はポイント制、チケット制とも呼ばれる。支払った料金がそのままコインに換算され、1 レッスンごとにコインを支払う仕組みだ。講師の国籍やレベルによって1 レッスンで使用するコイン数が変動するため、受講できる回数が変わる。

「遊園地などでチケットを購入して、乗り物ごとに必要な枚数が変わるのと一緒ですね。ネイティブやベテランの講師だとコインが多く必要になる場合が多いです。なかには、定額制とコイン制の両方あるところもあります」

 定額制は受ければ受けるほど割安だが、回数が少なければ1 レッスンの単価が上がる。一方のコイン制は、受けたい講師や回数を自由にカスタマイズしやすい。あまり多く受けられないことがあらかじめわかっていれば、経済的だ。

「コイン制は自分のペースに合わせて受講したいレッスン数だけ計画的に受けられる。ただ、講師やクラスによってコイン数が変動するので使い方が複雑な面もあります」

 どんな英語に触れたいのか、どれくらいの頻度で受講できそうなのか。この2 点を決めてから、会社を選びたい。

◆柴崎 亮(しばさき・りょう)
27 歳のときに脱サラし、オンライン英会話を使いゼロから英語学習を開始。2017 年8 月から、アメリカ・ボストンの起業に特化したMBA(Babson college)に留学、19 年5 月に修了。"にゃんこ先生"というチームで、英語学習・海外留学のWEB サイト「There is no Magic!!」を運営しており、Twitter のフォロワーは1 万人を超える。

(文/濱田ももこ)

※『AERA English2020 Autumn & Winter』より。誌面では、大手オンライン英会話10社徹底比較や、識者の話をまとめた「オンライン英会話 基本のA to Z」、オンライン英会話に関するお悩みと解決法なども紹介している。