初めて投資信託を購入する人がよく選ぶのが、バランス型ファンド。金融機関の窓口でも、「迷ってしまわれるようでしたらバランス型も人気です」というセールストークが定番化している。バランス型ファンドの種類も多いのだが、どれが売れているのだろうか?



 投資信託には、「株に投資するもの」「債券に投資するもの」「株の中でも、米国株に投資するもの」「債券の中でも、日本の国債にするもの」など、さまざまな種類がある。その数なんと、約6000本。初心者が選ぶのは、なかなか難しい。

 そもそも長期のつみたて投資をするときは、

(1)インデックスファンドを選ぶ

(2)「eMAXIS Slim」や「<購入・換金手数料なし>」など、コストの安い「シリーズもの」から選ぶ

(3)中身はシンプルなものにする

という3つの視点で探すといい。ただ、(1)(2)(3)の条件に合うファンドというのは機械的に検索しにくい。

 そこで、アエラ増刊「AERA Money今さら聞けない投資信託の基本」では、金融機関の協力を得て(1)〜(3)を満たす投資信託を調査した。

 さらに「純資産総額」を基準にして投資対象別にランキング。純資産総額が大きいファンドは、そのファンドを買っている投資家が多い人気ファンドだ。資産規模が大きいほど取引コストも下がり、指数に連動させやすい傾向にある。

 バランス型ファンドは、株式、債券、不動産投信などの資産が均等に入った投資信託だ。株の中でも「日本を除く先進国の株、日本の株、新興国の株」が均等に入っている。とにかく「バランスよく」組み込まれているので、投資対象に迷わずリスクも分散される。

 さて、バランス型ファンドのランキング、堂々の1位は「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)だった。2位の「eMAXIS バランス(8資産均等型)」は1位と中身は同じで、信託報酬と呼ばれる運用コストが違う。

 1位の「Slim」はネット証券での販売が中心で、信託報酬は年0.154%。2位のものは0.55%で、郵便局や大手銀行などで販売されている。

 eMAXISシリーズ(1位と2位)だけで800億円以上の純資産額、ダントツのトップといえるだろう。

3位は、大和アセットマネジメントの「iFee8資産バランス」、4位はアセットマネジメントOneの「たわらノーロード バランス(8資産均等型)」、5位がニッセイアセットマネジメントの「<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックス・バランスファンド(4資産均等型)」となった。

 eMAXIS、iFee、たわらノーロード、<購入・換金手数料なし>は、いずれも低コストで人気の投資信託シリーズである。

 ところで「バランス型ファンド」を検索すると、800本以上が出てくる。同じバランス型の中でも、「2資産」「4資産」など投資資産の数が違ったり、「株式重視型」など資産の比率を変えたり、運用過程においてリスクを調整したりと、細かい設定が異なるためだ。まったく、分かりづらい……。

 バランス型ファンドを選ぶ際に何か目安となるものはないか? 「eMAXIS」シリーズを運用する三菱UFJ国際投信の野尻広明さんがアドバイスをくれた。

「たとえば8資産均等型のファンドは、資産を均等に8分割してリスクを分散しています。当ファンドは株式と債券で2分割、株式と債券のそれぞれを国内と先進国と新興国に3分割。これに国内と先進国のREIT(不動産投信)を加えて合計8分割というように、分割すればするほどアセットクラスが増えていく仕組みです。

『新興国やREITが増える』と言われると怖くなるかもしれませんが、過去の基準価額の推移に注目。大きく下落した時期はいつなのか、どれくらい下がったかをチェックしてみてください。

 それを見て『これくらいの下落なら、つみたてを続けられそうだな』と思えるかどうかです。もっとリスクを減らしたいなら、『eMAXIS バランス(4資産均等型)』を選べば、新興国の株式などが入っていない分、低リスクになります」

(取材・文/新藤良太、編集部・中島晶子、伊藤忍)

※アエラ増刊『AERA Money 今さら聞けない投資信託の基本』の記事に加筆・再構成