AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。



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Q:大きな行事のときに人間関係がうまくいかなくなります。本当に驚くのですが、小学生から高校生まですべてです。班決めというお決まりの流れが苦手で、早く終われと祈っています。みんなの表情や声色からいろんな感情がわかってしまって余計つらいです。なんでいつもこの時期に人間関係がうまくいかなくなるのでしょうか。(女性/高校生/18歳/かに座)

A:このタイプの方は、大人になると楽になれるんじゃないかと思います。学生時代は、実は顔を立てなきゃいけない人たちが多いです。学校はある種の閉鎖空間だし、自分で決められることも限られる。例えば東京に住んでいたとして、東京は嫌だから神奈川に行くとか、そういう移動の自由も限られますよね。閉鎖的なグループで生活をしなければいけないときに、行事とかイベントとかは「楽しいものだけ」じゃない気もします。

 行事に1年分のパワーを注ぎたい人もいるわけで、そういう権力やパワーを持ってる人の顔を立てなきゃいけないこともある。閉鎖された空間で個性を出すと、攻撃されてしまうこともあります。

 でも、18歳まで頑張ったから、もう大丈夫。そろそろ個性が出せる空間に行けます。大学生になったらもう半分大人だし、自分を出してもそれが嫌いな人は去っていくし、好きな人はもっと近づきたいと思ってくれる。

 これまでの閉鎖的世界での知恵と経験は、大人になってからも役に立つはずです。幸せになるための知恵と言ってもいいかもしれない。なぜかというと、大人になってから幸せに生きていくには、人のテリトリーを侵食しないことも結構大事な気がするから。例えば飲み会にすごくこだわる人っていますよね。いろんなお店を知っていることを生きがいにしてる人。そういう人のプライドを奪っちゃいけないから、「いいお店ないですかね?」と一声かけるとか。そういう知恵も大切です。

 かに座はね、みんなが盛り上がってるときに、冷たい事実を投げかけちゃうんですよね。周りが100度に沸騰してるときに、20度ぐらいの冷水を浴びせてしまうんですね、うっかり。「これ全然面白くないじゃん」「これ絶対うまくいかないよね」って気づいちゃうんです。

 仲が良くて喧嘩もできる、本音をぶつけながらいいものを作り上げていく関係なら、ガンガン言っていいけど、これは無理だと思ったら火の粉を浴びないようにニコニコしておいたほうがいいときもあります。自分の意見の前に、相手の意見に「面白いね」と言ってあげるとか。ちょっと注意が必要かもしれないです。

 あと、人と合わない悔しさや悲しさは、ちゃんと持ち続けてほしいと思います。みんなが面白いという映画が全然面白くなかったとしても、じゃあ自分にとっては何が面白いんだろう、ってそこから深掘りが始まっていくから。そのマニアックさがあなたの面白さにつながっていきます。

しいたけ./占い師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「VOGUE GIRL」での連載「WEEKLY! しいたけ占い」でも人気

※AERA 2020年11月16日号